Vampire2℃ (ページ6)

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56.連れてきた理由ページ6

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「うわぁ、めっちゃ美味いじゃん！
　これ！！」

ちゃっかり奢ってもらって
一息つく。

『ちょうど私も飲みたかったので
　嬉しいです！ありがとうございます！』

「俺のはベリー系で、
　Aちゃんのは柑橘系だね、
　俺のも飲む？」

『へっ！？いや、その、
　大丈夫です！』

私の反応を見たベッキョンは
楽しんでいるのかイタズラに
本当は飲みたいんでしょ？と
からかってくる。

「ちょっと待って！
　Aちゃん、それ！
　今人気の漫画のやつでしょ！？」

『え、どれですか？』

「ほら！その鞄のストラップ！」

『あ！そうなんです！
　ベッキョンさんも好きなんですか？』

「うん！これ最近流行ってるし
　俺も見てみよって思って見たら
　めっちゃハマっちゃって。」

『へぇ！どのキャラが好きなんですか？！』

「俺はあのー、
　名前なんだったっけ？
　女の子で、スタイル抜群で
　胸がめっちゃ大きくて〜」

『あ！あの可愛い子ですね！
　ってか、見た目ですか！？
　能力とかじゃなくて？』

「だって可愛いじゃん！
　能力もちゃんとすごいのあるし？！」

『やっぱりベッキョンさんも
　男の子ですね〜？』

クスクス笑いながら私もベッキョンを
からかうようになった。

「ちょっと、
　変態みたいな言い方しないでよ！」

偶然、意気投合して
話が弾み、思いもかけず
仲が深まってしまった。

話が一段落したところで
ベッキョンは何も言わずに私の目を
じっと見つめてきた。

『え…どうかしましたか？』

「ねぇ、Aちゃん。
　俺のことどう思ってる？」

頬杖をついて丸い瞳で問いかけてくる。

『え？！いきなり何を…』

「俺ね、Aちゃんを
　ウチの店に連れてきたあの日、
　Aちゃんに一目惚れしたから
　連れてきたんだ。
　ずっと言いたかったんだけど
　あれから話す機会すらなくて
　やっと話せたっていうか…。」

ベッキョンが私のことを…？？！

「もっと早く話せたら
　よかったんだけど…。」

『___嬉しいです。』

「俺の気持ちを伝えて、
　Aちゃんにただ、
　知ってもらいたかったんだ。
　だから答えとかは要らないよ。」

返報性の原理からか、
急にベッキョンのことが
愛おしく感じてしまう。