Vampire2℃ (ページ5)

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55.お茶のお誘いページ5

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慌ててお菓子コーナーの方に隠れて
売り場の隅から様子を伺う。

『なんでこんなところに…？！』

いや、どっちかと言えば
私の方が用もないのに
夜の街のコンビニにいるのがもっと
おかしい状況か。

もしかしてなんて期待していた癖に
いざ現実になると逃げてしまう
矛盾した自分が情けない。

でもだからと言って
ここで鉢合わせたところで
話すことないし…。

っていうか、ギョンスさん
なんだか顔色が悪そうだな…？

飲み物を二つと何かパンのようなものを
手にしたギョンスさんはレジに向かった。

その隙に私はルイボスティーを
棚からサッと取り、
また売り場の物陰に隠れる。

側から見たら今の私、
相当怪しいヤツ。

ギョンスさんが会計を終えて
店を出たのを見送り、
ホッと胸を撫で下ろす。

久しぶりに見たギョンスさんは
なんだか少し痩せていたように見えた。

『大丈夫かな…ギョンスさん。』

自分も会計を済ませて
店を出ると、道の先にまだ
信号待ちをしているギョンスさんが見えた。

よく見るとその隣には女性が居た。

『あれって…。』

見間違いだろうか、なんとなく
恭子に見えたけれど気のせいだと
自分に言い聞かせてその場を後にした。

ギョンスさんと会ったこの夜の街も
こうやって来るのは
今日で最後かもしれない。

キラキラとしたこの街は
私には似合わない_______

「あれ、Aちゃんじゃん！」

帰ろうと駅まで歩いていると
後ろから声をかけられた。

『ベッキョン…さん？』

笑顔で駆け寄ってきた彼は
まるで子犬のようだ。

「久しぶりじゃん！
　こんなところで何してるの？」

『あ！いや、その…。』

「ちょっとお茶してかない〜？」

『お店でですか？』

「いや、今日は早くお店閉める
　予定だったからもう帰るんだけど、
　ちょっとお茶してく？
　あそこのカフェの新作、
　美味しいらしいよ〜？
　奢ってあげようか〜？」

『の、飲みたい…です！！』

「そうこなくっちゃ〜！」