Vampire2℃ (ページ4)

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54.淡い期待ページ4

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「えぇ、今日ギョンスさん
　お休みなんですかぁ〜？」

「ごめんね〜、お得意さんなのに。
　今日だけちょっと体調悪いみたいでさぁ
　次来た時サービスしとくから
　また今度来てくれる〜？」

「はぁい。」

受付をしながら今日だけで
何回断ったことか。
アイツの人気は凄まじい。

週に何回か休みを取るようにして
訓練に専念するようになったギョンスは
Aちゃんの為とは言え、
少し無理をしているようにも見えた。

「お疲れ、チャニョル。
　休憩いいよー。」

「あ、ベッキョン。お疲れ。」

「ギョンス最近大丈夫？
　訓練しすぎじゃない？
　どしたのいきなり？？」

「Aちゃんの為だってさ。
　すげぇよなぁ。
　俺は誰かの為にあそこまで
　できる自信は無いから。」

「そういえば、なんでチャニョルは
　インパルスコントロールを
　習得しようと思ったの？」

「自分の為だよ、あんな美味しい血を
　目の前に苦しい思いをするなんて
　勿体無いだろ？」

「そうかぁ。俺は必要ないと思ってたけど
　やったほうがいい？」

「相当な覚悟が無いと
　できるもんじゃないから
　ベッキョンにはまだ早い。」

「俺もAちゃんの血、
　吸いたい。」

「実は俺も気になっては
　いるんだけどな。
　なんせギョンスが許さないだろうから。」

「…。」

「ん？ベッキョン…？」

「最近Aちゃんが
　お店来てないのは？」

「ギョンスから一方的に
　会わないようにしたんだと。」

「Aちゃんは
　訓練のことは知ってるの？」

「さぁ？そこまでは。」

「そっか…。」

…

『はぁ、今日はいっぱい
　食べちゃったなぁ。』

恭子と別れた帰り道。

こんなところに来たって
何もすることが無いのに、
出来心で来てしまった。

心のどこかではまだ、
淡い期待を抱いている自分が
いるのかもしれない。

久しぶりに来た、夜の街。
やっぱり煌びやかだ…。

でもこの前より少しだけ肌寒くなって
街の雰囲気が変わった気がした。

　

なんか喉乾いた。
コンビニ行こっと…。

ピロンピロン〜♪
いらっしゃいませー

『えーっと、いつも飲んでる
　ルイボスティーは…。』

ドリンクコーナーに行こうとした足を
思わず止めた。

『え、嘘っ。』

そこに居たのはギョンスさんだった。