Vampire2℃ (ページ15)

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65.彼は、吸血鬼。ページ15

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ギョンスさんは優しく微笑んで
私を抱きしめた。

「嬉しいです。
　これからもよろしくお願いします。」

あっ、とギョンスさんは
思いついたように口を開いた。

「そういえば、ベッキョンとは
　いつからそんな仲に？」

『あ、それは…
　ベクからカフェに行こうと誘われて
　一目惚れしたって告白されて…』

「そうですか…。
　付き合ってる訳では…？」

『無いです！！』

あと一歩ベクがリードしてたら
わからなかったけど…。

あとでアイツ懲らしめとかないと…
と独り言を呟くギョンスさんに
少し笑ってしまった。

「あの、Aさんが嫌じゃなければ
　…やってみますか？
　精気を奪わずに… 」

『奪わずに…？』

「____キスを。」

私が反応する前に、
ギョンスさんは
優しく静かに口付けをした________

「ふふっ、顔真っ赤ですよ？」

『だって急にギョンスさんが…！』

「ふふっ。」

楽しそうに笑う彼は、吸血鬼。

『これから一緒に居たとしても
　私ばっかり歳とって
　ギョンスさんは今のままなんですよね？』

「それはそうですね…。」

『私も吸血鬼になったりしたら…？』

「何をいうんです！？」

『私も吸血鬼になれば
　ギョンスさんと永遠に
　暮らせるじゃないですか！』

「吸血鬼はそんな簡単に
　なるものではないですし、
　死ぬことができないというのは
　残酷なことです。」

『それでも良いです。
　ギョンスさんと一緒になら
　死ねなくて良いですし、
　死にたくないです。』

「…わかりました。
　そしたらいつか、
　私がAさんに本当に
　吸血鬼になってもらいたいと願った時、
　私の血を差し上げます。」

『血を…？』

「私の血を一定量飲めば
　Aさんも吸血鬼になれるので。」

『じゃあその時まで
　ギョンスさんの血はお預けですね。』

「ふふっ、Aさんすでに
　飲みたいんですね。」

『ふふ、バレちゃいましたか。』

私の血の味を知ってる
ギョンスさんの血はどんな味なんだろうか。

それを知ることができるのは、
きっともっと未来の話________

—END—