Vampire2℃ (ページ13)

今日:2 hit、昨日:27 hit、合計:17,767 hit

63.正夢？ページ13

.

『っ……！！！』

目が覚めた。夢か。

携帯を手に取り、
ギョンスさんとのトーク画面を開く。

夢の中のギョンスさんは
微笑んでいたけれど
なんだか寂しそうにも見えた。

その顔が忘れられなくて_______

“明日の夜なら空いてます。”

翌日。

もう来ないだろうと思っていた夜の街。

ギョンスへ会いにやってきてしまった。

待ち合わせていたお店のエレベーター前。

チンっ_____

ドアが開くと、
緊張気味のギョンスさんは
私に深くお辞儀をした。

「お忙しい中すみません。
　お話したいことがありまして。」

いつものVIPルームに通され
向き合う様にソファー椅子に座る。

『お話とは…。』

「まず、数ヶ月前に
　もう会わないようにしようと私から
　Aさんを突き放すような
　ことをしておきながら
　ここに呼んでしまったこと、
　お許しください。」

『あ、いえ。
　そんな固くならないでください。
　もう、気にしていませんので。』

気にしてないなんて
真っ赤な嘘なんだけど。

「…ここ数ヶ月の間、
　私は稀血に強くなる為の
　訓練をしました。」

『訓練？あ、チャニョルさんが
　前に言ってた…』

「ええ。
　簡単に習得できるものではないので
　少し時間がかかりましたが…。
　私は、Aさんの稀血に
　対応できるような体になりました。」

そしてギョンスさんは
改まって言った。

「もう、私がAさんを襲う
　危険性もありません。
　なので…これからまた、以前のように
　お店に通って貰えないでしょうか…？」

____危険性が無いとか
そういうことじゃない気がする。

『えっと…。』

わだかまりがまだ残ってる。
聞かなきゃいけないことがある。

『ギョンスさん、
　ベクから聞いたんですけど…』

昨日見た夢がまさか正夢に__________

『ギョンスさんは
　“人間を虜にする能力を持っている”
　そうなんですよね？』

「ええ、ご存知だったんですね。」

『本当はその能力で私を誘惑して
　血を吸おうとしていたんですよね？
　…違いますか？』

「違います。」

即答だった。