Vampire2℃ (ページ12)

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62.夢ページ12

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____うとうとして
寝ようとしていた時に光る携帯の画面。

『え…どういうこと』

いきなり来た、
ギョンスさんからのメッセージ。

既読無視した。

今更なんで…？
また利用したくなったとか…？

せっかく寝れそうだったのに
あのメッセージのせいで
脳が寝させてくれない。

ギョンスさんの能力に
もう振り回されたくはない。

とりあえず目を閉じる。
明日も仕事なんだから
早く寝ないと…。

“Aさん…！Aさん…！”

誰かが私を呼んでる…？

「Aさん！」

『え、ギョンスさん？』

ここは…？
白くて心地の良い世界。

振り返るとそこにはギョンスさんが。

「Aさん、やっと会えた。」

あれ、なんで目の前に
ギョンスさんが居るの…？

『なんでここに…
　っていうかここは…？』

「お迎えに参りました、
　Aさん。」

『え、ちょっと待ってください。
　どういうことですか？』

「探したんですよ？
　Aさんのこと。」

優しく微笑むギョンスさん。
そして私の手を取り歩き出す。

果てしなく白い世界を
迷いなく進んでいく。

『待ってください！
　私を利用…してたんじゃないですか？』

ギョンスさんの手を振り払う。

「…何を言ってるんですか？」

『ベクから聞きました。
　ギョンスさんは
　“人間を虜にする能力”を持ってるって。』

「…。」

『本当は私のことも
　そうやって誘惑して
　血を吸おうとしてたんですよね？
　でも正体や吸血鬼の事情の多くを
　知られてしまったから
　それが難しくなってしまった。
　結局ギョンスさんは
　私のことを利用してたって
　ことですよね？』

「じゃあ、私がなぜAさんを
　突き放したと思いますか？」

『えっ…』

「私はAさんのことを思って
　もう会わない方が良いと
　言ったんです。」

『それはどういう…』

「そのままですよ。
　貴方の血を吸う気は無いです。
　でも、これ以上一緒に居ると
　襲ってしまう可能性がある。
　Aさんのことを
　思ってのことです。」

『そんなことしなくても私、
　ギョンスさんになら襲われても…！』

ポロッと出た本音。
気づいた時には涙が出ていた。

その言葉を聞いた
ギョンスさんはニコッと微笑み、

「本当はAさんの口から、
　その言葉が聞きたかったのかも
　しれないです。」

そう言って私の前から
ふわっと姿を消した_______