51.マネージャー ページ1
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「今日、お休みなんですよね？」
眉を寄せて聞いてくるギョンスさん。
「あ、は…はい。
ど、どうしてですか？」
「そんな風に俯いて暗い顔をして
お店に行くなんて。
忘れ物を取りに行くとか
そんな感じでも無さそうだし
もしかして今から出勤されるのでは？」
「なぜ…それを…。」
「見たらわかります。
たくさんの女性を見てきたのです。
仕事柄、このようなことは
察しの良い者が皆から好かれます。
小野寺さんもご存知でしょう？」
「そうでしたね…。
あ…でも、働かないとお金が…。」
「働くのも大事ですが、
小野寺さんご自身のお身体の方が
もっと大事です。
余計なお世話かもしれませんが、
お金を稼ぐ以前に
体を壊してしまえば病院代とか
色々かかるじゃないですか？
無駄な出費が増えては本末転倒です。
そして、働くためには
元気で、健康でないといけません。」
「ギョンスさん…。」
「連絡したらどうです？
今日はお休みしますって。」
「で、でもお店に迷惑かかるし…」
「そんなことは無いです。
ああいうお店は、女の子が居て
成り立つものですから、
貴重な美しい人材が居なくなる方が
お店にとっては損害です。
そしてその為に女の子のコンディションを
ある程度整えてあげるのもお店の役目。
でも、小野寺さん自身のコンディションは
小野寺さんしかわからないのです。
無理は禁物です。」
「ギョンスさん…あなたは
なんでそんなに…、」
「改めて自己紹介を。
私、エステEXISTの
マネージャー、ギョンスと申します。」
彼は手を胸に当てて
丁寧にお辞儀をした。
この人、只者ではない。
「もしかして風俗のマネージャーも
したことあります？」
「いえ。そういうのは苦手なので。
私は女性へ、頑張る場所ではなく
癒しの場所を提供したいのです。」
大きな安心感と包容力。
私、この人のこと…
好きかも知れない。
今まで出会った男の人達に
こんな人は居なかった。
私のことをこんなに考えて
話してくれる人が
この世界には居るんだな____
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作者名：ゆゆゆ | 作成日時：2023年11月5日 8時
