なにわこじらせ女子２ (ページ41)

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酔わされてページ41

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【大橋】

いつの間にか離されてた。

朔と二人で呼んでもらった番組の打ち上げで、始めは二人で並んで座ってて。
そのうちお互いに色んな人に話しかけられて、気づけば空いていなかった筈の隙間に何人も入り込んでいた。

お互い子供やないし、個人で打ち上げに参加する事だってある。

ホンマは人見知りで、慣れない人が大勢いるのは苦手なはずやけど。
こういう仕事をしていると必ず付き纏う場ではあるし、幾度も経験してること。

小さい頃から見ているせいか、自分でも少し過保護な思考になっている自覚はある。

他のメンバーもおらんし、俺が確りせな、という思いもあった。

「大橋くん、楽しんでるかい？」

「…っぁ、はい！今日はほんま、ありがとうございます〜」

人好きする笑顔で、覚えのないスタッフさんらしき人に囲まれている朔を見ていたら、肩を叩かれて意識を引き戻される。
おしゃべりが好きなひとで、勧められるままに酒を飲みながら相槌を打つ。

しばらく解放されんやろうな、と思いながらもせっかくの席やし楽しむことにした。

時間も経ち、ある程度グループみたいになって話に花が咲いている。

「いやーいいね、いい飲みっぷりだね。見てて気持ちいいよ。ほらほらもっと飲んで」

傍らの相手の話が途切れたタイミングで、少し離れた場所から聞こえた声に目を向ける。

「ありがとうございます。今日はちょっと飲み過ぎちゃってるなぁ〜、楽しいとお酒すすんじゃいますよね。収録もとっても楽しかったし…」

「じゃあまた一緒にやりたいな」

「え〜ほんまですか？嬉しいです！なにわメンバー他にまだ6人いるんで、今度はぜひ全員で」

先程と変わらずに朔の隣を陣取っているとあるスタッフさん。
良く受け取れば話が弾んで盛り上がっているように見えるけど…

にしても、近すぎひん？

話すだけにしてはピッタリと身を寄せていて、不意に朔の表情が一瞬強張ったが、すぐにまた笑顔になる。

ほんの一瞬やったけど、見間違いやないという謎の確信があった。

「いゃぁ〜ほんま、また一緒にお仕事させて貰いたいんで！よろしくお願いしまーす！良かったなぁ朔、メンバーも喜ぶなぁ」

斜め後ろから、ぎゅっと朔を抱きしめるようにしてスタッフさんから引き剥がす。
少々強引やったけど、普段からメンバー間の距離が近い俺達だから不審がられない。

急に現れた俺に驚いたように身を引いたスタッフさんは、目を泳がせながら誤魔化すように笑った。