なにわこじらせ女子２ (ページ29)

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vsなにわ男子ページ29

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「朔〜？大丈夫ぅ？」

「…………あかん…」

謙杜、みっちー、恭平、流星、丈くんと、ここまで5人との撮影を終えたわたしは既に瀕死。
シックで上品なスーツに身を包んだ皆のビジュが良すぎて、最早拷問の域！

ステータス異常状態で大橋くんとの撮影が始まり、いつもはふわふわしてる癖に時折見せる色っぽい表情にたじたじになっている。

8人の中の１人として臨むいつもの撮影なら、ただ喜んでいられたのに…

自分が確りと”女の子”としての立ち位置で、みんなの相手役として、なんて。

１人、また１人、と終えて行く毎に、嬉しいやら恥ずかしいやらドキドキしすぎて体力も精神力も削られていった。

もうかなりふらふら。
ソファに座る大橋くんの隣に座ろうとして、スカートの裾を踏んでしまう程に。

思いっきりつんのめってしまい、咄嗟に手を伸ばして

「っわ…！」

「ぅぶ…っ！！」

座っていた大橋くんに半分乗り上げるような形で抱きついてしまった。
しかも、思いっきり頭を抱える感じで。

ああああかん！大橋くんの顔に…っ胸が当たってるー！

大慌てで肩に手を置いて、ガバっと身を起こす。

「っごめん！大丈夫？！」

「全然大丈夫やで～。やぁらかいから痛ないし…朔も大きなったなぁ」

「どこの成長実感してんねん。ラッキースケベ許さんで」

「あぃたぁっ！」

いつの間にか現れただいちゃんに大橋くんがどつかれた。
どついた勢いのまま「あんたの撮影終わりやって」と、大橋くんを追いやって替わりにソファに座る。

大橋くん大丈夫かな。

だいちゃんはスーツ姿にヘアセットがシースルーバング！
ビジュが良すぎて思わずガン見してしまう。

興奮しすぎて震えそうになっていると、逆にじっと見られている事に気づいて頬に熱が集まってきた。

「…肌、見せすぎちゃう？」

「わ、わたしやって恥ずかしいの！あんまり見んとって…」

「はっすん相手に油断しすぎやし」

さっきの話なら事故やって、見てたんちゃうん？と目を瞬かせていると、ぐっと腕を引かれて先程と同じような体勢にされる。

だいちゃんに乗り上げるような形で、だけどさっきとは違って咄嗟に片手でソファの背もたれを掴んで耐えた。

──耐えたのに！

バチッと、至近距離で絡んだ瞳の奥の熱と艶に、

崩れ落ちるようにして、結局目の前の彼にしがみつく。

「朔？」

「……腰抜けた…」

わたしのライフはもうゼロです。