孤独の狐 3話 ページ18
黄 side
｢・・・、・・・、｣
誰かの声がする。
だけど、何を言ってるか分からない。
｢・・る！・かる！｣
俺を呼んでるらしいけど、
変だな、目を開けられない処か、体を動かせない。
・・ってか、ペチペチ叩かないで。地味に痛い。
｢ひかる！ひーかーるーっ！
あっそうか。忘れてた！｣
パチン
途端に軽くなって、動くようになった体。
目を開けると、
｢うわっっ！！｣
俺の顔を除き込むようにして見ていたのは、色の白い、可愛らしい妖狐。
｢・・・だれ、だ？｣
｢えっひどぉ、昨日会ったじゃん。｣
｢昨日って・・。｣
｢忘れたのぉ！？｣と、わざとらしく泣き真似をする妖狐。
そんな妖狐を目前に、今度は俺が頭を抱える番だ。
菫月以外の妖狐には会ってないんだけどなぁ。
まさかこの人が菫月だってことは無いだろうし・・・。
・・・えっ、そのまさかだったりする？
｢お〜あたり〜！！俺が菫月でぇす！！｣
｢・・・！？｣
｢おぉいぃ〜、反応しろよぉ。｣
｢ちょっと待って！？｣
えっ、ちょっと待って、ちょっと待って、ホントに待って。
え、菫月？この人が？ほんとに？
かなり疑わしくて、目の前の妖狐を
｢これでもか！！｣ってぐらいよーく見ると、
目は綺麗な紫色だし、九つの、真っ白な毛並みの尾がある。
ふにゃっと笑った顔は、確かに菫月によく似ていた。
・・・いや、いやいやいや。
雰囲気ぜんっぜん違う。
｢そりゃしょうがないよ、雰囲気が違うのは。｣
ほらぁ、また心読むぅ。
｢俺の妖力は月から来てるんだもん。
だから、夜はすぅごいけど、昼はどうしても妖力弱まっちゃうの。｣
なるほど・・・？
あ、でも、
｢・・・ここ、どこ、？｣
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作者名：桃百合 | 作成日時：2023年12月12日 9時
