ジュウナナ ページ20
『ハイスペックでも凄い人間でもねーよ。』
朔良「!…」
「兄さん、、?」
眉を下げながら自嘲気味に笑う兄さんは何だか苦しそうで…事情を知っている朔良くんは1度兄さんの方を見てからすぐに俯いてしまった
『出会ったばっかの人間が何を語るんだ〜ってなるかもしんねーけどマジで聞いて欲しいんだわ』
「え、あ、うん、、?」
『俺な〜この会社が周りに広まって行った時もう無理だって思ったんだわ』
「え、、」
『ふは、意外だろ?…んーなんて言うんだろう。ほら朔良と俺ってまあこの会社を起業したから役職的には社長と副社長なわけよ。加賀美サンなら分かると思うんだけどその肩書きだけに縛られて俺らに近づく人間も山のようにいた。』
加賀美「っ、、」
社長も兄さんと同じ立場だから分かるのであろう。一度頷いてはそのまま黙り込んでしまった。…大丈夫かな?
『んで。とあるプロジェクトを海外で進めていく中俺と朔良はビックリしたよ。日本のテレビで俺らの会社のことをめちゃくちゃ報道してんの。買い被ってんの。まあその報道があってから今までもうちの会社に志願する子は多かったんだけどかなり増えて。いつの間にかこの会社の魅力なんざただどこにでもあるお手本を言うだけで実際は俺この会社に入ったから凄いだろ!!っていう自己中心的な考えばっかだった。』
「っ、!!!」
『俺らが目指しているモンじゃなくてうちの会社の肩書きが欲しいだけ。…日本に帰るのが遅くなったのは怖くなったから。朔良と俺が今まで大切にしてきたモンが無くなりそうで自分がわからなくなりそうで逃げてたんだ。ごめんな刀也。』
泣きそうな顔で力無く笑う兄さんの頭を抱き抱えた。涙が、震えが止まらなかった。許せなかった。5年間。兄さんと会えない間実は何度も兄さんは僕のことなんかどうでもいい。自分ばっかり好きなことをしてずるい。そう思いそうになってしまった自分が居たから。兄さんのことを理解しようとしていなかった自分がどうしても許せなかった。
「謝る、必要は無いよ兄さん…っ、支、えてあげられなくて…っごめ、んなさいっ…!!」
ごめん、ごめんね兄さん。兄さんの方が本当は辛いはずなのに僕が泣いて。ほら、困ったように笑って僕の涙を指ですくってくれているじゃないか。止まれ、止まれよ涙…!!
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稲荷さん2@スランプ(プロフ) - 完結おめでとうございます…!!とてめ面白い作品、本当にありがとうございました…番外編楽しみにしてます (2022年10月22日 6時) (レス) @page47 id: 820b8462d9 (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 稲荷さん2@スランプさん» 稲荷さん~ !!えぇぇ嬉しいですありがとうございます ( ; ; ) てぇてぇ助かる!!それ待ってました…😭🙇♂️ (2022年9月19日 11時) (レス) id: cadc20fb77 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷さん2@スランプ(プロフ) - コメント失礼致します。knmcも可愛すぎたし、aknもkzhもibも可愛すぎて無事死亡しました。ありがとうございます…てぇてぇ…助かる… (2022年9月19日 10時) (レス) @page34 id: 820b8462d9 (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - くうさん» ありがたいお言葉ありがとうございます( ; ; )!そんなふうに言っていただけて本当に嬉しいです!ゆっくりではありますが更新したいとは思いますのでよろしくお願い致します( ; ; ) (2022年9月14日 15時) (レス) id: cadc20fb77 (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - みゆさん» うわあああありがとうございます( ; ; )!了解しました!!物語の都合上まだ出すことは難しいかもしれませんが絶対どこかのタイミングで入れさせて頂きます!!( ˶ˊᵕˋ) (2022年9月14日 15時) (レス) @page31 id: cadc20fb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあむ | 作成日時:2022年9月3日 14時