小さなスペード。 (ページ6)

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6、イチゴタルトorチェリーパイページ6

「君が、デュースの弟かい？」

「りょーちょー？」

「そうだよ。僕がハーツラビュル寮寮長のリドル・ローズハートだ。」

「りょーちょーっ！！」

「わっ、急に抱きつくと危ないだろう？」

なんだかんだでAのバイト(？)時間が終わったのでダイヤモンド先輩と一緒にハーツラビュル寮に帰ってきた。

今日は監督生もココに泊まるらしい。

寮に帰る前にAにローズハート先輩のことを教えた。…首をはねられるのはさすがに可哀想だからな。

「Aは賢いね。いい子にしているんだよ？ちゃんとハートの女王の法律には従うこと。返事は"はい寮長"だよ。」

「したがう？」

「エースのマネはしちゃダメだ。」

「なんでっ！！？？」

「はい、りょーちょー！！」

「A〜、オレを裏切んなよ〜」

「はい、りょーちょー！！」

その返事が気に入ったのか、何故かAの返事が全て"はい寮長"になった。

キャッキャと笑うAと珍しく微笑んでいるローズハート寮長。Aの近くで落ち込んでいる(？)エースと僕の隣で鼻血を出している監督生。

なんともカオスな光景だと僕は思う。

「お前ら〜、おやつができたぞー。」

「Aちゃん、おやつだよ♪」

「おやつ！！」

Aの為にケーキやタルトを作ってくれていたクローバー先輩とお手伝いをしていたダイヤモンド先輩が両手にケーキを持ってきた。

ダイヤモンド先輩がAにおやつだと言うとAは嬉しそうに笑った。

……かわいい。

「お、デュースの弟だな？」

「おにいちゃんだぁれ？」

「俺はトレイ・クローバーだよ。」

「とれいっ！！」

「可愛っ、」

『この反応に慣れた僕は変か？エース。』

「いや、お前は全くもって正常だよ」

なにかAが行動を起こすたびに監督生が崩れ落ちる。

これにも慣れてしまった。

「美味しいかい？」

「おいしい！！」

「そうか。イチゴのタルトがオススメだよ。ぜひ食べてみるといい。」

「あ、A。チェリーパイ食べてみた？俺、チェリーパイ好きなんだけどさ。」

ローズハート寮長とエースが自分の好物の勧めあいを始めた。

Aの目の前にはイチゴのタルトとチェリーパイが1切れずつ置いてある。

でも、食べ過ぎも良くないよな。

『A、今日はモストロラウンジで飴も食べたし、今、フルーツケーキも食べただろ？食べ過ぎは良くないぞ。』

「うん！！ぼく、おなかいっぱい！！」

『ご馳走様できて偉いぞ』