沖矢さんちの大きな幼女【黒鉄の魚影】

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料理をバクバク食べていた子供たちが、ピクリと顔を上げる。


『……まさか』




阿笠「クジラクイズじゃ〜！」

両手を広げてニコニコ微笑む阿笠博士に、コナンが「腹ごなしのクイズってなんだよ」と突っ込んだ。


阿笠博士は早速思いついたクイズを出した。



阿笠「皆大好き、クジラさん！では、クジラが怒ったかどうか、どこを見ればわかるかな？

1番、耳。2番、鼻。3番、口。4番、目。
さあ、どれかのう？」



歩美「えー？クジラさんが怒ったとき？」

光彦「耳、鼻、口、目……」

元太「わかんねーよ。なんかヒントねぇのかよ、コナン」




江戸川「そうだな、“怒る”を別の言い方にするとなんだ？」


コナンとしてはわかりやすいヒントを出したつもりだったが、子供たちはかえって分からなくなってしまったようで、首を傾げてうーんと唸る。


『分かった、答えは＿＿＿』

阿笠「あー！ダメじゃ、ダメじゃ！」



Aが口を膨らませると、別のヒントを出そうとしたコナンの横で灰原がヒントを出した。


灰原「吉田さん、怒った顔をやってみて」

歩美「怒った顔？こーお？」


歩美は不思議に思いながらも、人差し指で目尻を持ち上げてイーッと口を横に開く。


灰原「その指はどこを押えてる？」

光彦「目尻……ですか？」



灰原に聞かれて、光彦は歩美の顔を見た。



江戸川「目尻は“目くじり”とも言うんだぜ」



コナンの言葉に、隣のテーブルの園子がピンと来た。



園子「目くじり……あ、そうか！」

蘭「ああ、あの言葉ってそこから来てるんだ」



答えがわかった蘭も、さりげなくヒントを出す



光彦「目くじり……」
と呟いて考え込んだ光彦が「ああ！」と声を上げた。



光彦「“目くじらを立てる”！答えは4番の“目”です！」

阿笠「ピンポーン！光彦君、正解じゃ！」




阿笠博士が満面の笑みで親指をグッと立てる。

「やりました！」と拳を突き上げる光彦に、元太が「えー」と口をかぶせた。



元太「ほとんど答え教えてもらったじゃねーかよ」

歩美「それ、元太君も聞いてたでしょ」



元太「でもよー」



子供たちが盛り上がっているのを阿笠博士が微笑ましく見ていると、



江戸川「なあ、博士」


コナンが向いたまま言った。



江戸川「後でちょっといいか」

阿笠「おお、なんか用かの？」



江戸川「いや、ちょっと……」




コナンの隣で料理を口で運んでいた灰原とAは、チラリと横目で二人を見た。

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