2 fin ページ30
きょとんとした顔を戻し
俺のことを足元から舐めまわすように見てくる。
最後に顔を見て、
また目が合うと、彼女は妖艶に笑った。
心臓がぎゅって掴まれたみたいに痛くてドキドキが止まらない。
これは、何に対してのドキドキなんだろうか。
「だめね」
「え？」
「私はあなたを撮りたくない」
「どう、して…ですか？」
「あなた、美しくないもの。何かを諦めた人間は、全然、美しくない」
彼女は、すべてを見透かしているかのように吐き捨てた。
冷や汗とともに心臓が早まっていく。
さっきとはまた違うドキドキだ。
だって、彼女の言ってることは当たってるから。
俺は何度もオーディションを受けたけど
いい結果を得られず、歌手になることを諦めたんだ。
そのことを、彼女は見透かしたというんだろうか。
「私はコンクールに何度落ちても、撮ることが好きだからやめないわ」
「俺は…」
どうなんだろうか。
歌うのは、そりゃあ大好きだよ。
でもさ、オーディションに落ちるってことは
それを否定されてるような気がして、つらかったんだ。
実力がないから、なんてテキトーな理由をつけて逃げてたんだ、俺は。
「またどこかで会いましょう。あなたが一番美しくなったとき、私の方から撮らせてくださいってお願いするわ」
にっこり笑って去って行った彼女。
散っていく桜のように儚くて
この春風のように一瞬で消えていった。
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にょんす(プロフ) - nagiさん» こっちにもコメントありがとう〜〜！レイさんね、春にぴったりだと思って浮かんできたお話、全部レイさんに当てちゃった(笑)読んでくれてありがとうー！ (2015年9月19日 18時) (
レス) id: b1b7c5ee4d (このIDを非表示/違反報告)
nagi(プロフ) - にょんすさん！！もう、とってもいい(T_T)！イーシンさん贔屓バンザイです！ほんわかほのぼの時々狂愛イーシンさん最高です！他メンちゃんも勿論最高なんですが！朝っぱらからたくさん読ませて頂きました！ごちそうさまです♪次は秋編…(｀ω´)ぐふふ。 (2015年9月15日 9時) (レス) id: 48c1d59279 (このIDを非表示/違反報告)
にょんす(プロフ) - k-byさん» コメントありがとうございます！わー！まさかの同志ですねー(笑)私定期的にぎょんちゃんにデレるんで、またどこかの章でひょっこり出るかもしれません(笑) (2015年8月15日 22時) (レス) id: ef5af745f7 (このIDを非表示/違反報告)
にょんす(プロフ) - すうこさん» コメントありがとうございます！このぼやぼやした感じ、春ってテーマにぴったりだと思ったんです(笑)あらすじ了解しましたー！ (2015年8月15日 22時) (レス) id: ef5af745f7 (このIDを非表示/違反報告)
k-by(プロフ) - 私も、今まさにドディオデレ期なんです！なので、この小説読んでたら、ほっこりしました :))) (2015年8月13日 23時) (レス) id: d7df33a46b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にょんす
| 作成日時：2015年8月1日 0時
