＊ ページ9
「安室くん。すまんが仕事に戻ってくれないか？」
「どうぞお構いなく。僕はここに座ってるだけなので」
目の前で静かに言い争いを始める彼らにどうにかできる術もない。
仕方ないのですっかり汗をかいてしまったアイスコーヒーを口に含んで、赤井さんと降谷の顔を交互に見やる。
そして、私は前々からの疑問点について考え始める。
赤井さんはともかく、なぜ世のJK達は降谷なんかをイケメンだとはやし立てるのだろう。
ベビーフェイスと言われる彼は確かに実年齢の割には甘い顔をしている。
それに加えて私に対してとは明らかに違う紳士的な態度。
あぁ、そうか。
彼女らが好きなのは安室透であって降谷零ではないのか。
いや、でも顔は整ってるから降谷零でもモテるのだろう。
『面白くない』
思ったことがそのまま口から滑りでる。
「何がかな？」
すかさず私の言葉を拾う赤井さんが、私の瞳に映り込むように覗き込む。
なんか近くない？
テーブル1つを隔てているとはいえ、前のめりな彼に少し身を引く。
すると、すかさず褐色肌の腕がのびて赤井さんの首根っこを掴むとｸﾞｲｯと後ろへ引き戻した。
「何をするんだ。安室くん」
「いえ？僕の勘違いかもしれませんが、大きな狼が今にも彼女を食べていまいそうだったので」
「俺は彼女に質問しただけだ」
「適切な距離じゃないと言っているんです」
「全く…キミは分かりにくいな。だから彼女にも」
「それとこれは別でしょう」
また始まる小さな論争に私の耳は遠くなる。
こんな話もう聞いてられるか。
私はここへ癒されにきたんだ。
なのになんでまたストレスを溜められてる？
はぁと1つため息をついて財布から千円を引っ張り出すと机の上に置き、静かに店を後にした。
＊
＊
「赤井！お前のせいでいつの間にか帰ったじゃないか！」
「キミが俺達の邪魔をするからだろう？」
「俺達ってなんです？なんでそこにAが含まれているんですか」
「無論。彼女も俺の事を好いているからだ」
「は？コーヒー頭からかけるんでちょっとニット帽脱いでください」
「安室くん。少し落ち着け」
「赤井がふざけたこと言うからだろ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 668人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明里香(プロフ) - 空回りの話、誤字がありました。「お箱だろ」ではなく、「十八番だろ」です。 (2021年2月22日 23時) (携帯から) (
レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 夢主が降谷君の事を勘違いするシーン、面白かったです^_^降谷君、策士だなぁと感じました！続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年12月9日 15時) (レス) id: fb97b4034b (このIDを非表示/違反報告)
星香(プロフ) - 坂竹会長さん» ありがとうございます(o^^o)はい！コナンの夢小説に限らずですがたくさん素敵な作品があると思います。私の作品もその１つになれたらなぁー…と笑更新地道にやっていきます！吐血大丈夫ですか？！ (2019年7月25日 13時) (レス) id: 3c957dd699 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 面白いです!久々にコナンの夢小説見に来たのですが、やっぱ燃えますね♪((更新頑張ってください!! 失礼しましｺﾞﾎｯ_ー¶#_ｽﾐﾏｾﾝ､ﾄｹﾂｼﾏｼﾀ (2019年7月24日 6時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
星香(プロフ) - あかりさん» あかりさんありがとうございます！更新頑張りますね！！ (2019年7月19日 15時) (レス) id: 3c957dd699 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星香 | 作成日時：2019年7月8日 20時
