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後ろから声をかけられたので振り返ると
『赤井秀一…さん?』
によく似た容姿の人が立っていた。
以前、降谷から聞いた黒いニット帽に目の下のクマに当てはまる。
「ん?俺のことを知っているのか。なら、話は早い。捜査会議に使われる部屋が、どこにあるのか分からなくなってな…案内してくれないか?」
『分かりました。案内させていただきます。こっちです』
事情を察して彼をエレベーターへと案内する。
小さな箱がぐんぐんと上昇を始めたところで、改めて彼の方をチラリと見やる。
めっちゃどタイプの顔なんだけど…。
降谷と同じぐらい整った顔をしているし、なんせあの有名な赤井秀一だ。
一時期、降谷から恨みを買っていたとはいえ誤解の解けた今、組織壊滅へ多大な影響を及ぼした彼の頭脳はやはり明晰だった。
「あまり見つめられると少々困るんだが」
『す、すみません!』
己の思考回路が静止されると、彼の瞳がこちらを見ていたのに気付く。
現役のFBIに視線を察知されるなんて当然のことなのに、何をやらかしてんだ私は。
そこからというものの無言でエレベーターの階の表示を見続ける。
早くこの箱から出してくれ。という願いを込めながら。
そうこうしている内に目的の階へ到着するとなんだか見覚えるのある仏頂面の男が立っていた。
「おい。なんでお前が赤井といる」
『道案内を頼まれただけだけど?降谷サンには関係』
「は?なにをふざけているんだ赤井」
「ん?」
「ん?じゃないだろ!今までここに来るのを迷ったことなんかないのに、なに迷子のフリしてるんだ!」
時間に遅れているという訳でもないのに、なぜか怒鳴り散らす降谷。
『赤井さん。その人ほっといて中に入りましょう』
「君もこの会議に参加するのか?」
『いいえ?私はまだ仕事が追加…残ってますので戻ります』
華麗にスルーしたのが気に入らなかったのか、今私の肩には降谷の手がグイグイと食い込んでる。
このゴリラ、力加減っていうものを知らないのか。
「それは残念だな。お礼にこの後、食事にでも誘おうかと思っていたのだが」
「それが狙いか赤井!」
「ここに俺の電話番号が書いてある。時間が空いたら連絡をくれ」
そう言ってスっとドアに入って行く彼に私の目は最後まで釘付けだった。
あんな男前に連絡先まで貰うとは夢でも見てるとかないよね?
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明里香(プロフ) - 空回りの話、誤字がありました。「お箱だろ」ではなく、「十八番だろ」です。 (2021年2月22日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 夢主が降谷君の事を勘違いするシーン、面白かったです^_^降谷君、策士だなぁと感じました!続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年12月9日 15時) (レス) id: fb97b4034b (このIDを非表示/違反報告)
星香(プロフ) - 坂竹会長さん» ありがとうございます(o^^o)はい!コナンの夢小説に限らずですがたくさん素敵な作品があると思います。私の作品もその1つになれたらなぁー…と笑更新地道にやっていきます!吐血大丈夫ですか?! (2019年7月25日 13時) (レス) id: 3c957dd699 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 面白いです!久々にコナンの夢小説見に来たのですが、やっぱ燃えますね♪((更新頑張ってください!! 失礼しましゴホッ_ー¶#_スミマセン、トケツシマシタ (2019年7月24日 6時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
星香(プロフ) - あかりさん» あかりさんありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月19日 15時) (レス) id: 3c957dd699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星香 | 作成日時:2019年7月8日 20時