・ ページ36
手越side
Aとソファで眠りについてからどれくらい経っただろうか。
突然、ぎゅっ、とすごい力で抱きしめられた。
…なんだぁ？
｢かな、た…？｣
あぁ、Aが寝ぼけて俺を奏多だと思ってるのか、全くもう、俺は手越だよっ！
手越｢俺は奏多じゃないよ？｣
そう言ってから気づいた。
これ、寝ぼけてんじゃねぇ…。
｢ぁ…、は、ぁっ…、かなたはっ…!?｣
フラッシュバック…、多分だけど。
Aは今多分、過去を生きている。
そして、過去の奏多を守ろうとしてるんだ。
でもね、A。
Aが生きてるのは、
俺はAの顔を優しく両手で挟んで、目を合わせた。
手越｢A。今、奏多は居ないよ？今Aの目の前にいるのはだぁれ？｣
目を泳がせて、ふるふると首を振るA。
手越｢答えて？今目の前にいる俺は誰？｣
｢ぁ……、て、ご…｣
ちょっとだけ落ち着いたかな、意識がこっちに戻ってくれば、あとは大丈夫なはず。
手越｢そ、せいかーい。ここ、楽屋ね？｣
他の3人は打ち合わせに行ってたみたいでこの場にはいなかったんだけど。後で伝えといた方がいいかな…。
｢がく、や…。かなたは？｣
まだぼーっとしてるAが聞く。
手越｢奏多は今お仕事かなー？帰ったらきっと会えるよ。｣
早く会いたいね。頑張って早く帰ろうね。
｢しごと…。｣
手越｢そ、お仕事。奏多きっと今、元気に頑張ってるよー。｣
Aの目は、ゆらゆらと揺れている。
不安、なんだろうな、きっと。
ぎゅう、って手を握ったのがわかった。
そんなとき。
Aのスマホから着信音。
かけてきたのは、奏多。
おぉ、タイミングいーじゃん、さすが弟。
手越｢ほら、A。でんわ。｣
まだ膜が張った揺れた目でこっちを見てるA。
｢んぇ…？だれ…？｣
お前が待ち望んだ人だよ、ばーか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RIN29111397(プロフ) - ゼロ 一獲千金ゲーム書いてください (2020年6月1日 7時) (
レス) id: 07a6ed2f8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SORA | 作成日時：2019年2月10日 19時
