現実だよ。3【まいまいまいごえん】 (ページ16)

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シンタくんと最期まで一緒に居るページ16

次の日…そして、Aの死亡予定日─

母「…A………」

『お、おかあさん、だいじょぶ、だよ………』

母「ごめんね、昨日はいっぱいお仕事の電話があって、
病室で電話は出来ないから…相手できなかったけど、今日は会社の人に
電話やめてって言ってきたから』

『…おかあさん、ありがとう…』

シンタ「…A、本当に、居なくなっちゃうの?」

『…わからないよ、ごめんね…』

シンタ「………あの…A。」

『ん…、？』

シンタ「…あの…もし、可能性があるのなら。
大きくなって、結婚する約束を、してくれませんか…？」

『……ねぇ、いいの…？あたし、もう駄目かもしれなのに。』

シンタ「…それでも。」

『……ごめんね、こんなで。でも、約束だよ』

シンタ「…うん！」

『…みんな、泣かないでよ…』

母「…ごめん、ごめんね……」

シンタ「だって……」

『あたしこそ、ごめん。シンタくんには、たくさん迷惑かけた。
お母さんにも。親不孝で、ごめんね』

あ…通知…

『シンタくん、今のなんの通知？』

シンタ「えっと…ゾーヤと、ダイヤと、ライムとライオンと
ユウ先生とルミ先生とリンリンとマモルとアキと…えっと、とりあえずいっぱい来てる」

『あ…そっか。どんな内容？』

シンタ「…今までありがとう、だって。
病院行きたいってみんな言ってる。」

『来てもいいのに…』

シンタ「…みんな、最期は大切な人と過ごしてほしいって。」

『……あ、みんな………！』

シンタ「…あ…ゾーヤから電話、Aは動くのキツイだろうし、オレがスピーカーで流しておくよ。」

『ありがとう！』

ゾーヤ「もしもし、A、大丈夫？」

『ゾーヤ…！電話ありがとう、大丈夫かは、わかんないや…』

ゾーヤ「…まぁ、そうだよね…今まで、ありがとう」

『…まだ、生きたいな…』

ゾーヤ「…ボク、Aと一緒に入れる時間、楽しかったよ」

『…あたしも、ゾーヤは、初めての友達だったし…！』

ゾーヤ「…Aも、大変だと思うし、伝えたいことは伝えられたから、もう切るね」

『うん、またね…じゃなくて、ばいばい』

ゾーヤ「……ばいばい。」

シンタ「………A」