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顔が整っていて、
高身長でスタイルも抜群。
その容姿だけではなく、
成績優秀で運動神経も抜群。
性格もよしと来た。
そんな彼は学校一の人気者と言っても過言ではない。
一方、私は人気者とは対極な人間である。
顔は下の下、
身長は高くも低くもなく平均的。
そして女らしさなんて一つもない身体。
ただの脂肪の塊だ。
成績は普通、運動神経は皆無。
性格は悪いとは思わないが、
暗くて地味だ。
こんな私は友達もいない暗くて地味な人間だ。
勿論、恋愛経験など一度もなく自ら恋愛を諦めて生きて来た。
それを続けて17年目の春。
私の身にとんでもないことが起こった。
「えっと、ずっと前から好きでした。
俺と…付き合ってください!」
襟足を真っ赤に染めた学校一の人気者こと清川くんが目の前にいて、私に告白をしたのだ。
これは嘘の告白だったり何かの罰ゲームではないか?と信じられなかった。
しかし、彼の真剣な表情に負け付き合うことになる。
思いの外、交際は順調に進んで行き半年が経とうとしていた頃、
清川くんの浮気が発覚。
すぐに私から別れ話を切り出したが、
「デブスが勘違いしてんじゃねぇよバーカ。
遊びにすらならなかったわ」
と言われ結局フラれるという形でこの恋は幕を閉じた。
信じていたのに裏切られた気持ちでいっぱいだった。
馬鹿だなんて、そんなのわかってたよ…
『絶対見返してやる…!!』
私はその日を境に
そこから1年と半年かからないぐらいで私は見違える程の別人になった。
でも満足はしていない。
これでやっと他の子と同じスタートラインに立てたんだ。
それと同時に大学受験に向けて勉強も必死に取り組んでいた。
おかげで第一志望の大学に合格。
2つの成功を胸に大学へ入学し、数ヶ月が経ったある日。
キャンパス内にあるカフェの前で人を待っていた時のことだった。
「うぃーっす、お姉さんすごい可愛いから声かけちゃいました〜!!
連絡先、教えてくれない?」
『………』
聞き覚えしかないへらへらした声に、
大好きだった襟足の赤。
無駄な高身長とスタイルのよさ。
何もかも変わっていない。
でもね、私は変わったんだよ。
____何もかも。
『元カノの顔ぐらい覚えておいたら?』
-【ky】I'll get u.-
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作者名:麻香 | 作成日時:2020年9月18日 8時