捌.接吻の効果 ページ9
男が何度か私様の唾液を飲み込むのを確認してから、口と頭を抑えていた右手も離した。
『…お主一体どれほど血を吐いたのじゃ。
口の中が鉄臭くて敵わんのじゃ。
やはり人間の血肉は私様の体は受付けぬ。』
舌を出し、ぺっぺっと唾を吐く。
「なんということを君は…っ!!!!」
顔を真っ赤にして怒る男は、目を見開いて驚いた。
『安心せぃ。
私様の体液を人間が飲んでも鬼化はせんのじゃ。』
「そういうことではなく…!!!!」
『なんじゃ、うるさいのぅ。
私様はこれ以上に効率よく人間へ力を付与する方法を知らぬのじゃ。
ほれ、怪我が治っておるじゃろ?
私様は、珠代という鬼と同じく身体を弄っておった分、効果の操作ができるようになったのじゃ。
お主にやった私様の唾液には回復力増幅の効果を与えておるのじゃ。』
まぁ、無論潰された目や身体の欠損は鬼にならんと治らんがの。と付け足す。
そして、未だに顔を赤くしている男の肩をトンっと押して男を退かし、鬼狩りの柱の後ろにいる炭治郎の元へ向かう。
炭「Aさん…ありがとうございます。」
目に涙を溜めて微笑んでいた。
『…お主も禰豆子に負けず、めんこいの。
それに私様は約束は破らぬのじゃ。
ほれ、お主の怪我も治してやるのじゃ。』
他数人の鬼狩りがこちらに向かってきている気配がしたが、気にせず私様は炭治郎の口に自身の口を重ねて、柱の時と同様に唾液を何度か嚥下させる。
柱と同じく炭治郎も顔を真っ赤にさせ、気絶した(
『あははっお主ら相当うぶなんじゃの、ふふっ。』
思わず笑いを堪えられずに目に溜まった涙を指で拭いながら笑っていると柱の男が、口を開いた。
「うむぅ…こればっかりは鬼の少女が悪いからな!
私の時と言い、婚約もしていない女子があのようなことはしてはいけない!…が、君には感謝している!」
『うぬ。素直でよろしいのじゃ。』
その後も沢山の鬼狩り達が集まってきて、後始末する人達も来たので私様は帰ろうとしたが、柱に止められてしまった。
どうやら、鬼狩りのお偉い様が私様とお話をしたいようで、ちょうど炭治郎のことも心配していたので、禰豆子が入った箱と炭治郎を隠と書かれた隊士から渡してもらい、蝶屋敷へ向かった。
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まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこよすぎて涙が止まりません〜!! (2021年1月30日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきます! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - 陽菜乃さん» コメントありがとうございます!頑張りますね! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2020年12月31日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜乃(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 20時) (レス) id: df882a4b22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥夜 | 作成日時:2020年12月11日 1時