肆拾陸.近況報告 ページ47
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その日の晩、珠代へ現在の体調などを書き記した手紙を書き終えた私様が自室で布団を敷いている最中に、廊下から見知った気配がした。
『…こんな夜更けにどうしたのじゃ、杏寿郎。』
月明かりに照らされた障子に人影がゆらりと揺れる。
杏寿郎は、障子越しに話しかけてきた。
杏「まだ起きていたんだな。」
『あぁ、先程までちと書き物をしていたのじゃ。』
書き物?と質問を返してくる杏寿郎に、いつまでそこへ突っ立っておるつもりじゃ、早う中に入れ。と声をかけるとおずおずとした様子で障子を開け、中へ入ってきた。
『なんじゃ、変に畏まりよって…』
片眉を下げて、訝しげに聞いてみる。
杏「いや、このような夜更けに嫁入り前のしかも好いている女性の部屋へ、まさか入るとは思わなくてな…」
『なッ…いつぞやの膝枕してやった時もこのくらいの刻じゃったろ?!』
杏「…ふはっ。」
私様の返答を聞いて、笑い始める杏寿郎。
『な…なんじゃ!!!』
杏「いやすまないな。
Aが顔を赤くして必死に反論する姿が愛いくてつい…な。」
そう言って、優しく右手の甲で私様の左頬を撫でる。
その時の杏寿郎の目は、とても愛おしいものを見る目で、とても優しそうな目をしていた。
さらに顔へ熱が集まるのを感じる。
こ、この空気はまずいのじゃッ!!!
私様は誤魔化すように、口を開く。
『そ、そうじゃ!!!!
結局用件はなんだったのじゃ!!』
杏「ん?あぁ、そうだったな。
今日、俺は柱合会議に参加した。」
突然、とても真剣な顔付きになる杏寿郎に、私様も気を引き締める。
杏寿郎から話された内容は、
刀鍛冶の里での出来事で、
その際に確認された時透と甘露寺、炭治郎3名の痣の発現、発現条件、発現した場合25歳までには死んでしまうこと、禰豆子が陽光を克服してから鬼の被害が減った為に柱主導の隊士達の合同強化訓練を行うというもの。
引退した杏寿郎も身体に無理がない程度に是非とも参加して、隊士達へ指導をして欲しいと頼まれたそうだ。
『…やはり予想はしておったが、そういう話じゃったか。
無理をしない程度に指導を行うのじゃぞ。』
杏「うむ!
あ、それと、どうやら御館様のお身体の様子が回復へ向かっているそうだ!
以前は床へ臥せってしまっているとお聞きしていたが、今日は自力で歩いておられた!」
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まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこよすぎて涙が止まりません〜!! (2021年1月30日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきます! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - 陽菜乃さん» コメントありがとうございます!頑張りますね! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2020年12月31日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜乃(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 20時) (レス) id: df882a4b22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥夜 | 作成日時:2020年12月11日 1時