肆拾参.克服 ページ44
『禰豆子!!!!!』
洗濯物をアオイと共に干している背中に向けて声をかける。
すると、私の声に反応するかのように禰豆子は振り返り、ぱぁっと太陽なような笑顔を私に向ける。
禰「ね、ねーちゃ!」
必死に両手を伸ばして、こちらへ歩いてくる禰豆子を私様は勢いよく抱きしめる。
『禰豆子ッ禰豆子ッ!!!
本当に陽の光を克服したのだな…!!!!』
禰「よ、よかったねぇ!
お…おねえ、ちゃ!!」
禰豆子が何度もお姉ちゃんと言う言葉を紡ぐ度に、お姉ちゃんと呼ばれること、禰豆子が陽の光を克服したこと、少しでも禰豆子が話せるようになったことが、まるで自分のように私様は嬉しくて、嬉しくて、涙が頬を伝う。
禰「ねー、ちゃ!
だい、じょーぶ?ど、どこ…か、い…たい、いた、い?」
まだ言葉はたどたどしいくはあるが、心配そうに眉を下げて首をこてんと傾けて顔色を伺ってくる禰豆子に、私様は、禰豆子の頭を撫でながら、未だに止まらぬ涙を無視して笑顔を向ける。
『大丈夫なのじゃ。
これは嬉しくて涙が出ているだけなのじゃ。』
禰「変、な…おねぇちゃ…」
ふふふっと笑う禰豆子は目と牙以外は人間に戻ったかのようだった。
するとその様子を見ていたアオイが口を開く。
ア「先程まで善逸さんがここで騒がれてたんですよ。
立ち話はなんですし、どうぞ上がってください。」
『すまんの、炭治郎の所へ行っても良いか?』
蝶屋敷の皆には、私がもう鬼だということはしれている。
だいぶ前に、突然驚かすことがないようにとしのぶが時間をかけて説明してくれたようだ。
ア「えぇ、今は他の隊士の方は居られませんので、大丈夫だと思いますよ。」
『それでは邪魔するのじゃ。』
未だに私様から離れない禰豆子を抱っこしてやると、禰豆子は小さな子供へ戻る。
そして私様へ頬擦りまでしてくれるものだから、可愛くてしょうがなかった。
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まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこよすぎて涙が止まりません〜!! (2021年1月30日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきます! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - 陽菜乃さん» コメントありがとうございます!頑張りますね! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2020年12月31日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜乃(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 20時) (レス) id: df882a4b22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥夜 | 作成日時:2020年12月11日 1時