参拾陸.これから先私様に出来ること ページ37
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窓際にふわりと降り立ち、この屋敷の主人へ口を開く。
『__突然で悪いが、珠代、お主に鬼舞辻無惨を殺す薬と人間へ戻る薬を禰豆子だけでなく私様の分まで作って欲しい。』
珠代は、肩をびくつかせた後、呆れたように溜息をついた。
珠「お久しぶりですね、Aさん。
前にも言いましたが、きちんと玄関から来て下さいと何度言えば…」
明らかに長くなりそうな説教に両手を前に出し、横に振る。
『あー!わかったのじゃ!!すまなかった!!
…して、頼めるかの?』
珠「人間へ戻る薬は兎も角、無惨を倒す薬は私も作ってはいますが、効果は薄い…」
そう言って口を結んでしまう珠代。
珠「それに、禰豆子さんはまだ鬼になって浅いのでまだ人間へ戻れる可能性は高いと思われますが、Aさんのように年月を経た鬼となるとかなり絶望的…はっきり言って難しいと思います。」
申し訳なさそうに眉を下げる珠代。
『…人間へ戻れる可能性がほんのひと握りでも可能性があるのなら私様は、彼奴の為に…私様の為にも戻りたいのじゃ。
…それとお主には苦労をかけるが実はもう一種類作って欲しい薬がある。』
口角を上げ、珠代の耳元で耳打ちする。
珠「…何故そのような薬を?」
『なぁに、まだまだ若い連中にはこの先生きててもらわねばなるまい?念の為じゃ。』
するとバァンッと勢いよく開かれた扉と同時に珠代様と必死に呼ぶ男。
そして私様を見ると、嫌そうな顔全開で私様と珠代を引き剥がした。
『坊。久しぶりじゃな!』
愈「願わくば会いたくなかった。」
『なんでじゃ?!
それにしても坊は身長は伸びんのか???いつまでそんなちんちくりんなんじゃ??』
愈「少なくともそういう所だ!!」
坊の頭をペシペシと叩くと、猫がフシャーと威嚇するように手をべしっと払われる。
珠「愈史郎!やめなさい!
Aさんも愈史郎で遊ぶのはやめてください。」
愈「珠代様が言うなら分かりました!!!」
『つ…つくづく珠代命じゃなぁ、坊は。悪かったの。』
あまりの切り替えの速さに若干引きつつも、愈史郎の頭を撫でながら謝る。
すると、満更でもなさそうに目を細める坊。
こやつ…猫じゃな。としょうもないことを考えていると珠代が口を開いた。
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まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこよすぎて涙が止まりません〜!! (2021年1月30日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきます! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - 陽菜乃さん» コメントありがとうございます!頑張りますね! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2020年12月31日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜乃(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 20時) (レス) id: df882a4b22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥夜 | 作成日時:2020年12月11日 1時