鬼舞辻無惨が初めて鬼にした元人間は人を助けるそうですよ？ (ページ4)

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参.不思議な縁ページ4

男の名は竈門炭治郎。娘は妹の禰豆子。
2年ほど前に、無惨によって家族は惨殺され、生き残った禰豆子は、見ての通り鬼となってしまった。
今まで人を食べることなく、鬼の食欲を睡眠をとることで補っているとのこと。
また、無惨の呪いも外していると話した。
そして、禰豆子を人間に戻したいと…。

『なるほどのう…その齢にしてそれ程までの荷を背負っておるのじゃな。

…しかしまた珍妙じゃのう。
私様も無惨の呪いは随分昔に外しておるが、珠代と珠代の所の坊の他にもおったか。

それに人を食わず2年。飢餓は睡眠で補っておる…か。ふむ。』

炭「！珠代さんも知ってるんですか？！」

『おぉ、炭治郎も知っておるのじゃな。
誠に不思議なやつじゃの。

珠代とは今もたまに文を交わしておる仲じゃ。
…！なるほどの。珠代の文にあった鬼を連れた鬼殺隊隊士とは炭治郎の事じゃったんじゃな。

ならばこれも、継国と珠代の縁じゃ。
私様は、炭治郎、禰豆子に全面的に協力してやるのじゃ。

先程渡した珠は持っておるな？
その珠を炭治郎が壊したいと念じ握りこんで壊せば、私様は灰になる。…が、その珠に念じれば私様に必ず炭治郎の思いが届く。』

その珠を壊せるのは炭治郎、お主のみじゃぞ。と伝える。

炭「なんでそんなものを俺に？
貴女は、鬼舞辻無惨の味方じゃないのか？」

『私様は鬼じゃ、鬼じゃが、お主は私様の信頼する友らが選んだ人間じゃ。

その友らが選んだお主は私様も信頼するに値するものじゃ。

私様は、鬼の始祖である無惨が初めて鬼にした個体故、ほぼ無惨と同じ力を有しており人を食わぬともとても血が濃く強いのじゃ。

今の今まで人を食ろうたことも殺したことも1度たりとも無い。』

両手に持った湯のみの水面に写る自分の顔を見ながら苦笑を浮かべ眉を下げる。

『私様とてそろそろ休みたいのじゃ…永遠にな。

…が、この体じゃとても頑丈すぎて、まともに死ねぬ。』

そうじゃ、何度も死のうとした。
が、そこらの鬼とは違いありえない速度の再生能力を私様は持ちうるため鬼狩りから即死のダメージを受けても死ねなかった。何度もじゃ。

と話を炭治郎にする。
終始、炭治郎は悲しそうな顔を浮かべていた。

…お主は、鬼の私様に対してもそんな顔をしてくれるのじゃな、本当に優しい子じゃ。