弐拾参.上弦ノ陸の足掻き ページ24
『はぁ…お主、自身の筋肉で心の臓を止め、毒の巡りを一時的に止めておるのか…。
何という身体の造りをしておるのじゃ、人の範疇を逸しておるぞ…。
…私様は、それ程までのことが出来るお主は死なないと確信した故、先を急ぐでの。』
意識がない状態の宇髄に良いの?とぺしぺしとおでこを軽く叩く。
宇髄が目を覚ますまでもう少し時間がかかりそうだったので、私様は救助を優先するためにダッと地を蹴り屋根へ飛び移って人間を探した。
…別にあの男が初めに首を切り落とそうとしてきた事を根に持っていて治してやらん訳では無いぞ。
…いやほんっっの少し、ちょっとだけはやはり根に持っておるのじゃが、怪我を治そうにも私様の体液を飲み込むことが出来なければ意味が無いからの!
うむ、そうじゃ、そういうことにしておくのじゃ!
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私様のお陰で、先程よりも殆ど人が居なくなった遊郭で逃げ遅れた人達が居ないか気配を探っていると、2つ首がころんっと足元に飛んできた。
ふと目に刻まれた上弦ノ陸の文字を見て嫌な予感がした。
すぐさま男女の鬼の首を跨ぎ、宇髄の声がする方へ駆け出す。
ボロボロになった炭治郎と宇髄と横たわっている男の鬼の身体が目視できる距離になった。
宇髄が何かに気づき指示を出しているが、炭治郎は意識が朦朧としている中、毒を遅らせるために呼吸をしているため気づいていない。
どうやら炭治郎も宇髄が何か言っているのに気づいたようで、炭治郎に持たせてある珠から、炭治郎の思念が私様の脳内に届いた。
どうやら無意識に念を込め私様に届いてしまっているらしい。
-なんだ?何か言ってる。-
-頸…斬れてなかったですか?-
-宇髄さんがなにか__-
『チッ』
宇「逃げろーーーーッ!!!!」
宇髄が発言する前に私様は状況を判断し、男の鬼から発せられる血鬼術を防ぐべく、私様も素早く血鬼術を発動させる。
バッと前に出した手を男の鬼の体に向け、グッと拳を握り込んだ。
『術が発動するまでに間に合うかのっ…!!!』
たらりと額から流れた汗が顎を伝っているのを感じた。
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まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこよすぎて涙が止まりません〜!! (2021年1月30日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきます! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - 陽菜乃さん» コメントありがとうございます!頑張りますね! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2020年12月31日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜乃(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 20時) (レス) id: df882a4b22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥夜 | 作成日時:2020年12月11日 1時