鬼舞辻無惨が初めて鬼にした元人間は人を助けるそうですよ？ (ページ23)

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弐拾弐.不意打ちページ23

ﾋｯと小さな悲鳴をあげている遊女達を見ると腰が抜けて動けない者もいるようでその場から怯えるだけで中々動こうとはしない。

チッと舌打ちを打ち、遊女たちへ人差し指を向ける。

ｸｲｯと人差し指を上から下へ振り下ろし、血鬼術で遊女達を安全な場所へ飛ばしてやる。

すると物凄い勢いでやってきた人物が私様の首を狙って刀を振り下ろしてきたが、右手で刃を挟み止めて、すれ違いざまに声をかける。

『鴉に言われ、応援に来たのじゃ！

私様は逃げ遅れておる遊女達を避難させるのに集中するぞ！』

宇「ｯ助かる！」

そのまま上の階へ駆け上がっていくのを確認した後、私様も駆け出した。

『…それにしても彼奴、あわよくば私様の首を落とそうとしおったな。後でどうしてやろうものか…。』

なんて事を考えながら、自分の仕事をしに遊郭内を走り回った。

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あれからどんどん激しくなる戦闘に、下敷きにされた人を瓦礫をどかし助け、鬼の攻撃が当たる寸での人を助けたり、禿の小娘を背負い、姐女郎探しをしたり等やることが次から次へと出てくる。

『助けだしたらキリがないの？！

何故、避難も済んでおらん場所で戦いをおっぱじめておるのじゃ！！！』

助けても助けても終わりが見えない作業に、苛立ちを感じ、文句を吐露しながら、ドンドンと大きく足を踏み鳴らしながら歩く。

すると少し先に、先程の宇髄と呼ばれる柱の男が倒れており、左腕が切断されていた。

私様はおずおずと近寄り、つんつんと指で男の体を続つつく。

『お、おぉーい。お主無事か？』

反応がないのと、微かに人間には有毒である毒が人体に入ってからかなり身体に侵食し始めているであろう毒が男の傷口から匂っているので、生きている望みは薄いだろうと思いながら、男を仰向けにさせる。

男は左腕を欠損しているだけでなく、左目すらも潰されていた。

そこでふと気づき、呆れて眉間を抑えて溜息をつく。