弐.その耳飾りは ページ3
____
______
お互い向かい合い、私様は自分で入れた茶を啜る。
娘基禰豆子は和菓子を見つめており、男は耐えられなくなったのか、出されたものに口をつけず正座をしたまま口を開けた。
「あの…貴方は鬼ですよね?
俺と禰豆子に話って…」
『あぁ、お主に聞きたいのはその耳飾りのことじゃ。』
右の人差し指で自分の耳を指さし、そう聞くと、男は反応し顔付きが余計に険しくなった。
「…鬼舞辻無惨から俺のことを聞いたんですか?」
『その耳飾りは、無惨が初めて恐れた鬼狩りの持ち物じゃったから、耳に花札のような耳飾りをつけた鬼狩りを見つけ次第殺せ。とはるか昔にわざわざ私様の居場所を何十年と探し見つけ出して言いに来た事はあったのじゃ。
しっかし、私様はその耳飾りの元の持ち主と親友だったのじゃ。
私様は鬼じゃからの。その耳飾りの持ち主は、唯一大切だと言える古き親友だったのじゃ。
じゃが、ある日突然ぱたりと私様の元へ来なくなってのぅ…そ奴が死んだのは風の噂で聞いた故、耳飾りの行方を知らなんだのじゃ。
じゃが、今その古き親友の形見をお主がつけておる。気になっても仕方ないじゃろ?
…のぅ、小僧。その耳飾りはどこで手に入れた?』
そう言って、殺気を込めて男を睨みつける。
男は冷や汗をたらりと垂らし、私様からの威圧を感じたのか禰豆子は私様から男を庇うように前に出た。
男は、ゴクリと唾を飲み込み、娘を退かせながら口を開いた。
「…この耳飾りは、父から譲り受けたもので、俺の家系で代々受け継がれているものです。
この耳飾りの他に父からは、神楽とこの耳飾りを必ず途切れさせずに継承して欲しいと言われました。
俺はそれぐらいしかこの耳飾りのことについて知りません。」
じっと見つめてくる揺るがぬ男の目を見て、嘘はついていないと確信した。
『…そうか。
お主は、継国の話していた炭吉の子孫か…。
ならば問題なかろうて…継国が炭吉に自ら託したのであればいいのじゃ。少しでもお主の祖先が継国を殺した犯人かと思うてな。
疑って悪かったのじゃ。』
再度ずずっとお茶を飲む。
「い、いえ。
継国さんとは、、それに俺の祖先って…!」
『それは残念ながら教えてやれぬのじゃ。
…が安心せい。心配せずとも時期にわかるのじゃ。』
「あの…貴女に聞きたいことがあるんです。」
そう言うと、男は身の上を話し出した。
255人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこよすぎて涙が止まりません〜!! (2021年1月30日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!!頑張らせていただきます! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
琥夜(プロフ) - 陽菜乃さん» コメントありがとうございます!頑張りますね! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 26d85f93d6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2020年12月31日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜乃(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 20時) (レス) id: df882a4b22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:琥夜 | 作成日時:2020年12月11日 1時