鬼舞辻無惨が初めて鬼にした元人間は人を助けるそうですよ？ (ページ19)

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拾捌.私様なりの慰めページ19

自身の両手をぎゅっと握り締めている煉獄の手の上へ、私様も両手を重ねた。

『言いたいことは沢山あるのじゃが…そうじゃの、まずは、ちゃんと怪我を治してやれなくてすまなかった。

私様が炭治郎の呼び掛けにもう少し早く応えていられれば…もしかしたらお主は無傷で済んだかもしれぬ。』

煉「ｯそんな事はない！

全て俺の力不足だったのだ！」

『それは違うぞ。お主はよく頑張っておった。

上弦の参を相手に、列車の乗客の中から1人たりとも死者を出さず見事乗客全員を守り抜いたんじゃからの。

それはお主に力が無ければ叶わなかったことじゃ。その力を…今まで鍛錬してきた日々を誇りに思うと良い。

それと、優しいお主の事じゃ、私様の事は、微塵たりとも気にするでないぞ。

私様は、お主が生きてるだけで十分じゃからの。』

立ち上がり、座っている煉獄の頭をよしよしと頭を撫でてやってから、頭を胸に抱えて抱き締めてやる。

『人間の命とは、短くて儚い故、お主の人生は1度きりじゃ。

これからは、隊士達への稽古が終わった後は、お主も歳相応の青年のように、恋をし結婚し子を授かり次の世代を育てる事等をするなり、お主のやりたいよう自由に生きると良いのじゃ。

お主は、今まで鬼狩りとして柱として、命をかけて沢山の人々を助け、善い行いを行ってきた。

それがお主のこれから望む事とお主が今まで行ってきた全てでは、望むことの方が小さすぎて釣り合わないほどの対価じゃと私様は思うぞ？

お主に誰も文句は言うまい。

下級の隊士達に稽古をつけるのも誉れ高きお仕事故、これからも頑張るのじゃぞ。

お茶を飲む相手が欲しい時は、私様を呼ぶといい！私様もお茶をするのは大好きじゃからな！』

の？と煉獄を離し、にっこりと微笑む。
煉獄は口を紡ぎ顔を赤らめている。

そろそろ帰らねば、また胡蝶に怒られてしまうなと顔を赤らめ、口早に煉獄がそう言い、勘定をして団子屋を出た。

団子屋を出ると、煉獄に後ろから名前を呼ばれる。
顔を向け、次はなんじゃ？と首を傾げた。

煉「…君には命を助けて貰った上に、心まで救って貰った。

本当に感謝してもしきれない。」

ありがとうと頭を下げられる。