鬼舞辻無惨が初めて鬼にした元人間は人を助けるそうですよ？ (ページ15)

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拾肆.蒲公英と猪ページ15

『うむ？なんじゃ、貴様らは？』

後ろにいる男2人に目線を向けたまま、恥ずかしいのか顔を赤くした炭治郎を離してやり、禰豆子を両手で抱き上げ、禰豆子が座っていた椅子に座り禰豆子を私様の膝の上に座らせてやる。

炭「Aさんは、無限列車で上弦の参と戦っていた煉獄さんと俺を助けてくれたんだ！

俺と禰豆子のことも応援してくれてるとても良い人だ！！」

私様へ手を向けて、きちんと2人に紹介してくれる炭治郎。

…うむ、炭治郎が礼儀正しくて私様は嬉しい限りじゃ。

『私様は鬼じゃが、1度たりとも人は食うてはおらぬし殺めたことも無い。

炭治郎や禰豆子の味方であり、つい先程鬼殺隊に入隊したのじゃ。』

私様が鬼殺隊に入隊したということを聞いた炭治郎も嬉しそうにそうなんですね！と自分の事のように喜んでくれる。

そうじゃぞ。と微笑んでいると、私様の膝の上に乗っている禰豆子が構って貰えず不服そうにグイッと私様の手をペシペシと叩いてきたので、おーよしよしと膝の上の禰豆子の頭を撫でてやる。

すると、気持ちよさそうに目を細め嬉しそうに喜ぶ禰豆子。その様は、眼福に値する。

私様が鬼だと分かった、黄色蒲公英(たんぽぽ)は、またしても汚い高音で叫んでいたが、炭治郎によって制され、猪頭は、私様と禰豆子の元へ来て、俺と勝負しろ！！！と先程と変わらぬ内容を言ってきた。

『個性豊かじゃのう…。

とりあえず、よろしく頼むのじゃ。』

ニッコリと笑顔を向けると、炭治郎に抑えられていた黄色蒲公英は顔を真っ赤にし、猪頭はほわほわとしていた。

すると、戸の近くでしのぶが顔を出し、手招きをするのが見えたので、そろそろ時間じゃの。と禰豆子を膝から降ろして椅子に座らせる。

『それじゃあ、私様は呼ばれておるからお暇するでの。

またゆっくり話そうぞ。』

そう炭治郎に断りを入れ、4人全員の方を優しく撫で微笑んだ後にその場から離れた。

部屋を出るともうそこにはいないしのぶに、監視は良いのか？と苦笑いを零し、しのぶの気配を辿って、後を追った。

その後の3人(禰豆子を除く)は、顔を真っ赤に紅潮させ、暫く動けなかったそうな。