白の漂流者2-4 ページ40
「なんっ、でこんなに集めんねん」
「あーぁ、なんで俺がクソ先輩なんかと」
「グルさん！！そんな1番上になんて登って降りれないでしょ！？」
「ふーん、折角木登りができるんだ今のうちにしてやる」
「みんなー、新しい布持ってきたよー」
オスマンと一緒に服や布が沢山入った籠を外へと運んだ。
色はできるだけ桃色の服ばかり。自分たちで食い荒らした村だったり国だったりからかき集めた分だけど、どう見てもこの木に足りるほど無い。
「グルさんそこに足掛けたらあかん！」
「む？…う、ぉ！？」
木が折れる音がして慌てて受け止めようと走ると、総統を受け止めようと待機していたトントンとぶつかって倒してしまう
「A！？、あだ！！」
『うっ……！』
「わぎゃっ……ふん。二人共、素晴らしいクッションだ」
トントンの上に倒れ込んでしまう体制になってた…更にその私の上に総統が落ちてくる。痛いけれど硬い地面に仰向けに倒れているトントンはきっともっと痛い…ごめんねトントン。
『トントン、平気？』
「いや、え…と……平気やけど平気やない…」
起こそうと手を貸すと、片手で顔を覆ってトントンは溜息を着いて手を掴んだ。
「俺は平気だったゾ」
「あんたにゃ聞いてへん」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
窓の外から沢山の人が騒ぐ声が聞こえる。こんな寒い中で、元気な人達だなぁ。
その中にAの声がきこえると、この間、彼女に八つ当たりしてしまったことを思い出す。
あの人達は優しい人だって…分かってるんだ。
「…分かってるのに。」
気持ちが追いつかない。ここは俺の故郷じゃない。裏切られないかもしれない。
でも、もし信じて…また裏切られたら…？
嫌な方ばかり考えてしまう。嗚呼、ダメだ…すぐそうやって暗くなる。1回考えるのを止めよう。
トンッ…
軽く扉が1度ノックされると開けられる、そこには俺の様子を見て手招きをする、最近やってきたオスマンという男。
出ていきたくない、そんな意を込めてそっぽを向くが、一向に譲る気がないらしく扉を開けたまま、ずっと俺を見ている。
はぁ、とため息をついて立ち上がると俺はオスマンについて行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きむち鍋(プロフ) - 紫さん» コメントありがとうございます。セリフ調になっているのがとても可愛らしいですね！ (2020年12月30日 18時) (
レス) id: 4e029fbece (このIDを非表示/違反報告)
紫 - os 「続きが気になるめう〜」gL「頑張ってくれ！」紫『面白かったです♪､､、せーの』「「『これからも宜しくお願いします！』」」 (2020年5月9日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
きむち鍋(プロフ) - ノリシロさん» コメントありがとうございます！ こういったジャンルは初めてですので至らぬ点もありますが、のんびりと更新させていきますので、ゆったり楽しんでいただけたら幸いです！ (2019年2月25日 11時) (レス) id: 82753cc095 (このIDを非表示/違反報告)
ノリシロ(プロフ) - 設定や一つひとつの表現に人物たちの感情が滲んでいる感じがしてすごく好きです！！
更新楽しみにしてます、頑張って下さい！ (2019年2月24日 14時) (携帯から) (レス) id: 2e9ea22d03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きむち鍋 | 作成日時：2018年8月28日 20時
