緑の楽園1-7 ページ34
悲惨。この一言に尽きる。
私が着いた時にはもう至る所が焼け落ちて現場から逃げようともがいたのか、腕だけ出ている死体。この村で何が起きたのかは明白だった。
目の前で倒れている枢機卿は私をみて目を見開いている。体は傷だらけで見てて痛々しい…。
王都の兵がこちらに剣を向けた。枢機卿と兵の間に入り、目を見据えていると一瞬だが相手が怯んだ。
『彼の命、こちらでお預かりしても？』
「ならん。ここで処刑した後、その証明として持ち帰れとの命令だ。」
『なるほど…』
「下がれ女、どこの国の者かは知らんが…今なら見逃してやろう。」
すぐに優位を悟ったか、少し強気だ。男の後ろにいた兵も剣を抜きゆっくりとこちらへ近づいてくる。1歩後ろに下がると、横に何か小さいモノが倒れているのが見えた。
目を向けるとそれはまだ小さい、女の子…赤い服に見えたそれは血で、踏みつけたような靴の後もくっきりとついている。
遊ぶように殺された。この子を、この村の人を…。
『…下衆が』
「何…？」
神に救いを願っただけだ。
王都に都合が悪かった。それだけの理由で…これだけの人を殺した悪魔を許せなかった。
『この人は渡さない、私も帰らない。』
「貴様…！俺に刃向かったことを後悔しろ！！」
こいつは今この場で殺す。
そう思って拳を握ったその時だ。
「A、おすわりだ。」
良く聞いた声に頭よりも身体が反応する。半ば倒れ込むように座ると背後から拳銃の音が響き、目の前にいた男は眉間から血を流し崩れ落ちた。そしてゆっくりと…それでいてしっかりとした足取りで何人かが私に向かって歩いてくる。真後ろで止まると手袋越しにくしゃりと頭を撫でた。
「いい子だ。」
あぁ、総統だ。
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きむち鍋(プロフ) - 紫さん» コメントありがとうございます。セリフ調になっているのがとても可愛らしいですね！ (2020年12月30日 18時) (
レス) id: 4e029fbece (このIDを非表示/違反報告)
紫 - os 「続きが気になるめう〜」gL「頑張ってくれ！」紫『面白かったです♪､､、せーの』「「『これからも宜しくお願いします！』」」 (2020年5月9日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
きむち鍋(プロフ) - ノリシロさん» コメントありがとうございます！ こういったジャンルは初めてですので至らぬ点もありますが、のんびりと更新させていきますので、ゆったり楽しんでいただけたら幸いです！ (2019年2月25日 11時) (レス) id: 82753cc095 (このIDを非表示/違反報告)
ノリシロ(プロフ) - 設定や一つひとつの表現に人物たちの感情が滲んでいる感じがしてすごく好きです！！
更新楽しみにしてます、頑張って下さい！ (2019年2月24日 14時) (携帯から) (レス) id: 2e9ea22d03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きむち鍋 | 作成日時：2018年8月28日 20時
