壊すに長けたこの掌を【死柄木弔】 (ページ6)

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その顔に弱いページ6

一番に見たのはお世辞にも綺麗とは言えない顔。
其奴はしつこく私の頭をずっと撫でていた

あぁそうだ私真昼間から抱かれたのか…。しっかりと思い出すと雰囲気に流されてしまった自分が情けなく感じる。

『やめて』

手を払い除けると相手は笑う。

「つれないな。さっきまで俺の下であんな声出した癖に」

『そんな覚えない。下手くそ』

「へぇ…なら第2ラウンドでもいくか」

耳元で囁かれた声にゾクリとする。此奴のこの掠れた声は嫌いじゃない。むしろ好きだ。

『遠慮する』

逃げるようにベッドから降りるとつまらなさそうな彼奴は声を出した

「そこはさぁ。腰が抜けちゃって立てな～い…ってなる所じゃない？」

『相手がテクニシャンだったらなってたかもね』

冷たくそう言い放つ、それでも男は笑うだけだ。随分と愉快そうに…

「いいねやっぱり、お前飽きない」

『奇遇ね、私もだよ。弔』

薄暗い部屋。弔はまた私をベッドの上に戻るように手招きした。大人しくそれに従うと膝に乗せられる。

『第2ラウンドは嫌だって言ったよね』

「そうだったか？」

『今やると明日はしないよ』

言って聞かせようとしても体を這う此奴の手の動きは止まる気配がない。

「…なぁ…」

縋るような顔。あぁだめだ。私その顔に弱い。
はぁ、とため息をついたらこっちが折れたことを悟り口角が上がった。勝ったと言わんばかりな顔。うん。その顔も好きだ。

ぐるりと視界が回りベッドに体が沈んだ。