壊すに長けたこの掌を【死柄木弔】 (ページ5)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:10,885 hit

その顔は怯えていたページ5

突然の音にビビってそっちを見た。見るとババァが洗っていた皿を落としたらしい。シンクに落としたから大した高さはねぇし割れてはないだろう。

そんなことより気になったのはババァの顔だ。
信じられないものを見ている。そんな顔で俺を見ていた

「勝己…あんた何処で！」

「あ！？」

作業の手を止め俺の元に来た。肩を掴まれて揺すられる。意味がわからねぇ。

「関係ねぇだろ！？」

「言って！！」

「ぁあもう！夢だよ夢！！」

ピタリと止まった。それでも顔はさっきと変わらねぇ。信じられない…そんな顔だ。
何かあるのか。俺とあの女。

「なぁ…」「勝己」

続きを話そうとした時、親父に止められる親父はいつも通りだが普段の雰囲気とは少し違う。

「時間、いいのかい？」

見ると出なきゃ行けねぇ。けれど…いや、もう無理か

「…おう。」

置いておいた荷物を掴んで玄関から出る。あんな顔をした親父を見るのは初めてで正直焦った。
だから。それと同時に不信感も出た。何故隠している。あの女は誰なのか。どうして今まで覚えていないのか。
色々分からねぇことは多いが…ただ一人それを知ってそうなやつには心当たりがあった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

学校につくと俺はアイツの席に行く。不本意だがお前以外に頼る他ねぇんだよ。

机の足を蹴ると驚かれる。個性があってもビクビクする癖は直ってない。

「デク。話がある」