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Itsuki side
俺の精一杯をあげてきたつもりだった。俺は好きだなんて簡単に口に出せるタイプじゃないし、スキンシップができるタイプでもない。特に二人きりだと。もっと積極的になっていればもしかしてなんて、ぐちゃぐちゃになった頭で考えていると。
｢...いつき、｣
｢なに、っ？｣
｢これ、外して？じゃないとお前を抱きしめらんない。｣
そっと呼ばれて顔を上げると、困ったような微笑みで手錠で固定されてる両手を動かす翔平。外したくないのが本音だったけど、翔平の顔を見てたら大丈夫かな、なんて思えてきて。震える手でそっと手錠を外した。
｢ん、ありがと。｣
｢...しょうへい。｣
｢分かってるよ。ほら。｣
小さい声で呼ぶと、ゆっくりと起き上がって、力強く抱きしめてくれる翔平。あぁ、いつもの翔平だ。そう安心したら、変に強ばってた体からふっと力が抜けた。
｢なぁ、樹。｣
｢っなに？｣
｢お前に嫌な所なんてないし、ダメな所なんてないから。｣
｢...もう、別れたいなんて言わない、？｣
ぎゅっと翔平の服を掴みながら恐る恐る聞くと、抱きしめる力が強くなった。
｢絶対言わない。俺には樹だけだし。｣
その言葉にせっかく止まってた涙がまたぼろぼろと溢れ出してきて、翔平と俺の服を濡らす。
｢あーあー、もう泣くなって。せっかくのイケメンが台無しになるだろ。｣
｢っそんなこと、言ったって...っ！｣
｢ん、そうだな。俺が悪かった。別れたいなんて言ってごめん。｣
｢〜〜っ、しょうへいのばかっ！｣
｢いってぇっ！｣
もやもやと何とも言えない感情が溢れてきて、思わず翔平の胸を叩いた、というか殴った。別れたいって言われた時の俺の気持ちも考えてみろってんだ、アホ猿。
｢...ほんと何で俺こんなアホ猿好きなんだろ。｣
｢猿って言うな、猿って。アホは...まぁ、認めるけどさ。｣
抱きしめられたまま横になって、涙もすっかり止まった頃。ぼそっと呟くとすぐにツッコまれた。思わずくすっと笑うと。
｢やっと笑った。｣
｢えっ？｣
｢ずっと泣き顔だったから。まぁ、俺のせいだけど。｣
｢ほんとにね。｣
｢うっ。｣
樹、とそっと確かめるように呼ばれて、じっと翔平の顔を見つめる。
｢幸せにするって言ったのに、泣かせてごめん。もう二度と泣かせたりしない。俺は樹だけを愛してるから。｣
ちなみに。後で別れたいと言った理由を聞いた俺は、翔平に一発くれてやった。これは俺悪くないでしょ。
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にのみい(プロフ) - いつもお話楽しみにしていますーー！スリボで陸さん受けが読みたいですー！！ちなみになんですけどTwitterは浮上しないのでしょうか？🥺不快に感じてしまったらすみません💦 (2022年2月13日 20時) (
レス) id: 337b13da5d (このIDを非表示/違反報告)
彩美 - 陸さん出てるの嬉しいー！かずりく好きなので読めると嬉しいです。 (2021年4月9日 12時) (レス) id: 29e05ea114 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shion | 作成日時：2021年3月1日 20時
