コイモノガタリ

○○go.I & Hokuto ページ24

Hokuto side





｢ん...、ここもいない......。｣



さっきからずっと探してるのに。楽屋も、更衣室も、シャワー室も、体のケアをする部屋も。どこにもいない。



｢しょうご...、どこ......？｣
｢あれ、北ちゃん？どしたの？｣
｢りくさん...っ。｣



シャワーを浴び終わった所なのか、頭をがしがしと拭きながら歩いてくる陸さん。今まで誰とも会わなくて少し心細かったから、陸さんの優しい声に思わずうるっとしてしまったけど、慌てて涙を拭いて慰めてくれた。



｢え、どしたの！？なんで涙目っ！？｣
｢りくさっ、しょうご...、しょうごがいないんですっ...。｣
｢あっ、今日あの日か！んー、さっきまで一緒だったんだけど、途中で○平に連れてかれちゃったんだよね...。｣



○平め。見つけたら覚えとけよ...。二人の行き先までは陸さんも知らないみたいで、○吾を見つけたら俺の事を伝えてくれるよう頼んで、また探すのを再開する。別れ際に頭を撫でられた。子供じゃないのに。



｢ここでもない...。｣
｢あれ、北人？こんな所でどうした？｣



今度は力矢さんに会った。ライブが終わったばかりだというのに、もうトレーニングしてたみたいだ。すごいなぁ。



｢力矢さん、○吾...見てませんか？どこにもいなくて...。｣
｢○吾？さっき陸と居たのは見たけど...。今日、あの日か？｣



こくりと頷いて肯定すると、力矢さんはそっかと言いながらふわっと微笑んで、どこからか携帯を取り出して連絡し始めた。



｢あ、陣くん？今そっち誰いる？...健太といっちゃん、だけ？○吾知らない？｣



どうやら陣さんに確認してくれてるみたい。さっきSNS用の動画を撮る所に○吾が来てたみたいで、今どこにいるか知らないか聞いてくれてる。



｢そっか。いや、突然ごめんね。今北ちゃんがこっち来ててさ、今日あの日らしくて。...そうそう。ん、分かった。よろしくね。｣
｢何か分かりました？｣
｢いや、さっきまでいたらしいんだけど、またどっか行っちゃったみたい。｣
｢そうですか...。｣



俺が残念そうな声で返事をしたからか、力矢さんが頭を撫でてくれた。度々さ迷ってるとこうやって力矢さんが落ち着かせてくれる。力矢さんの手落ち着くんだよね。



｢他にも連絡しとくから、北ちゃんは楽屋戻って○吾待ってな？見つけたらダッシュで行かすから笑｣
｢はい、お願いします笑｣



ほんと○吾どこいっちゃったの。

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