２４日目. 過去 ページ24
_Noside_
病室のドアを開けるとカラカラ…と木音がする
真っ白な病室が太陽の光に包まれて別の世界だと錯覚させた
『…A』
恐怖で足が竦み、何かに引っ張られるような感覚
黒い何かが勝己の足に絡まる
"ビビってるんですか？"
ホークスにそう言われ、何も言えなかった
これ以上自分がAと向き合うのを避け続けたら後悔するのはわかっている
事故の日から何度も何度も自分を責め、柄にもなく神に祈った
重い足で踏み出し、病室へと入る
静かな部屋にベッドサイドモニターの機械音
そして、Aの呼吸だけが聞こえる
『…やっぱ、すげぇ痩せたな…』
死んだように眠るAを見て心がズキンと痛む
白い肌、細い首や腕
『A…』
小さな手を握る事に抵抗を感じた
汚れきった自分の手で握ってもいいのかと躊躇う
"勝己の手、おっきくて暖かいから好き！"
"お前の手は小せぇな"
"離れないようずっと握っててね"
震える小さな手を振り払い、それでも尚、自分を助ける為に手を伸ばしてくれた
またズキンと胸が痛む
何十本も針で刺されたように苦しい
『お前の、傷に比べたら大した事ねぇよな…』
そう言って、Aの手に自分の手を重ねた
暖かい、生きている
そう思うと勝己の頬を濡らした
『…ごめん』
傷付けてごめん
泣かせてごめん
裏切ってごめん
守ると誓ったのに守れなくてごめん
まだ、謝る事が沢山ある
沢山伝えたい事がある
なのに言葉が出ない。話す余裕がないほど涙が溢れてとまらない
『A…悪かった…頼むから、目ぇ覚ませ…』
届かない言葉は冷たい風に流されていく
力いっぱいその手を握り、何度も何度も眠るAに謝り続けた
目を覚ましてくれると信じて_____。
『今はそっとしとこう』
『そうだね』
Aの病室の前で入れずにいた二人は静かに戻って行った
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本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 普通に泣きました (2021年10月14日 20時) (
レス) @page50 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
舞う猫(プロフ) - あんころもちさん» コメントありがとうございます！ハンカチを(*´｡•ω•)っ！！続編も是非読んでください！ (2021年10月10日 20時) (レス) id: 47a8fb4da4 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - やばい…涙が止まらなくなって…最近涙腺ゆるゆるでして、。こんな切ない話がかける方本でも見たことないです！ (2021年10月10日 20時) (レス) @page17 id: 2dc02ddd04 (このIDを非表示/違反報告)
舞う猫(プロフ) - しゃけふれーくさん» コメントありがとうございますっ！５０話で終わらなくて申し訳ありません！！夜寝てしまうのですか…？基本夜に更新になります(￣^￣゜)… (2021年10月10日 18時) (レス) id: 47a8fb4da4 (このIDを非表示/違反報告)
舞う猫(プロフ) - 雨水さん» 50話で終わらなくて申し訳ありません！ハッピーエンドになるよう祈ってあげてください！！ (2021年10月10日 18時) (レス) @page50 id: 47a8fb4da4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞う猫 | 作成日時：2021年10月1日 18時
