３日目. ページ3
_Noside_
勝己が居酒屋へ着く頃には既に出来上がっている人が一人。
「遅せぇよかっちゃ〜ん！」
「アホ面飲みすぎだろ」
「悪ぃ爆豪、久しぶりだな！」
靴を脱ぎ一番端っこに腰かけると瀬呂からビールを渡される
「爆豪、お疲れ」
「おぅ」
それを受け取り一気に飲み干す
「かっちゃん、そんなに一気に飲んで大丈夫なの！？」
「余裕だわ舐めんなクソデク!!」
「Aの所に行ってたのか？」
轟の一言で騒いでいた楽しい空気が水を打ったように静まった
この２年、Aの話題を避けてきた。その理由は何となく分かる
「おい、轟!!」
「…あぁ、見舞い行って来た」
意外にも怒ることなく答え、たこわさを一口食べる勝己をみんな目を見開いて見つめる
「爆豪、変わったよな」
「うん…かなり痩せたしね…」
普通にヒーローとして仕事をするがそれ以外は生きた屍のような彼をずっと心配していた
何に対しても無気力で、高校の頃とは別人のようだ
「もう２年か」
「早いね…」
二人が肩を寄せ楽しそうに笑っている姿がまるで昨日の事のよう。
「爆豪！今度皆で見舞いに行くぜ！」
「うるせぇから来んな」
「俺は静かだからいいだろ〜？」
「瀬呂！抜け駆け狡いぞ！」
勝己にとって、皆の存在がどれだけ救いになっただろうか
本当は感謝しているのに
お礼は、言えずにいた。
23時過ぎに飲み会はお開きとなった
死んでいる上鳴を緑谷が担ぎ、瀬呂と切島は別方向で帰っていく
「爆豪も気をつけろよ」
「わかっとるわ」
ポケットに手を入れ、自宅へと足を進めた
"勝己の手、暖かいねぇ"
"お前が冷た過ぎなんだよ"
"なら勝己があっためてね"
そう言って、柔らかく笑うAを今でも鮮明に覚えている
今は一人で虚しくポケットに手を突っ込むだけ
こんな些細な事でも胸が苦しくなるのは、
きっと
雪の所為だ
雪は静かに降り続いていた。
コートに音もなく降り落ちて、今の気持ちを表すかのようにゆっくりと消えていった
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本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 普通に泣きました (2021年10月14日 20時) (
レス) @page50 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
舞う猫(プロフ) - あんころもちさん» コメントありがとうございます！ハンカチを(*´｡•ω•)っ！！続編も是非読んでください！ (2021年10月10日 20時) (レス) id: 47a8fb4da4 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - やばい…涙が止まらなくなって…最近涙腺ゆるゆるでして、。こんな切ない話がかける方本でも見たことないです！ (2021年10月10日 20時) (レス) @page17 id: 2dc02ddd04 (このIDを非表示/違反報告)
舞う猫(プロフ) - しゃけふれーくさん» コメントありがとうございますっ！５０話で終わらなくて申し訳ありません！！夜寝てしまうのですか…？基本夜に更新になります(￣^￣゜)… (2021年10月10日 18時) (レス) id: 47a8fb4da4 (このIDを非表示/違反報告)
舞う猫(プロフ) - 雨水さん» 50話で終わらなくて申し訳ありません！ハッピーエンドになるよう祈ってあげてください！！ (2021年10月10日 18時) (レス) @page50 id: 47a8fb4da4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞う猫 | 作成日時：2021年10月1日 18時
