５５日目. ページ5
_Noside_
「A！お前一人でどっか行くなっつっただろ!?」
事務所でAが帰ってこない事で荒れていた勝己が飛び出そうとした時ふらりと戻ってきた
「…ぁ、ごめんね…」
「何もなかったんか？心配させんじゃねぇ」
「うん…なにも、なかった」
ふわふわとした感覚がAを襲う
それを勝己もA自身も気付いていなかった
「やっぱなんかあったろ」
家に帰り、向かい合って寝転んでいた時勝己が言った。
Aのさらさらな髪の毛を触りながら真剣に見つめる
「なにもないよ」
撫でられ、猫のようにグリグリと頭を胸板へ押し当てる
Aが甘えたい時にする仕草だった
「なんかあったら言え」
「ん、わかってる」
その夜、Aは夢を見た
とても、懐かしい夢を_____
"勝己は運命って信じる？"
"あ？俺がんなもん信じるわけねぇだろうが"
"えー冷めてるなぁ"
頬を膨らませ勝己の膝へ頭を乗せる
"前世や来世でまた巡り会えたら運命だと思うなぁ"
"ﾊｯ、運命とかじゃなくても俺がお前を引き寄せれば関係ねーだろ"
"…え…なら、何度でも惚れさせてくれるって事？"
"たりめーだろ。お前は前世でも来世でも俺だけ見とけ"
そう言って笑いあった
勝己はいつも自信満々でかっこいい
そんな勝己が大好きだった
「…勝己」
目を開け、ゆっくりと身体を起こす
暗い部屋に目が慣れてきて、隣の勝己をみた
寝ている時はいつも眉間に皺を寄せてるとは思えないほど穏やかで
こんな寝顔を見れるのはAだけの特権だと思ってた
他の女の人にも見せたのかと思うと、忘れかけていた気持ちが雫のように落ちてくる
「…やだな…勝己…」
「…なにがだよ」
寝ていたと思っていたので驚き身体がビクついた
薄暗い部屋で赤い目が光る
「何が嫌なんだよ」
「なんでも、ない」
鋭い視線から逃げようとしたが腕を掴まれベッドへ戻された
「言え」
「勝己、痛いっ…」
顔をグッと近付けられ鼻と鼻が少しでも動いたらくっつきそうで、目をつぶった
「ほんとになにもないの…」
「…好きだ」
吐息と共に吐かれた言葉はAの胸をいっぱいにするには十分だった
「…きす、したい」
「言ったらしてやる」
触れそうで触れない唇に、心臓が五月蝿い程高鳴る
意地になって言わないAにため息をつき優しくキスを落とした
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リオン(プロフ) - あまねさん» 神作すぎます！私もめちゃ見るの遅くて仲間です笑 (4月3日 15時) (
レス) @page31 id: 65a52228d3 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - めちゃ好きです！完結おめでとうございました！（遅い） (3月30日 20時) (レス) @page31 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - 最初の転の時点で予想以上の胸糞案件で正直驚きました。笑 謎や問題は沢山残ってるし現実的に考えれば完全に元に戻る事はきっと叶わない。…のだろうけれど、それでもこれから先…良い事が多くあって欲しいな！と想像で上げていきたいと思います！笑 お疲れ様でした！ (2023年3月1日 1時) (レス) @page31 id: 33510eeae8 (このIDを非表示/違反報告)
ここみ(プロフ) - もうほんとにめちゃくちゃ泣きました。大号泣です。本当に物語の構成が素敵だしなにより内容が最高すぎました。 (2021年11月6日 21時) (レス) @page31 id: 80d266a3aa (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - 舞う猫さん» え、本当ですか！？嬉しいです……！！ぜひやりましょう！！！！ (2021年10月24日 22時) (レス) id: 536b47677f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞う猫 | 作成日時：2021年10月10日 18時
