成蘭の番犬ちゃん

22話目 ページ23

相良side




最近アイツ見かけねぇな…

そんな事考えて夜道を歩いてたら壁に手をついて歩く変なやつがいた。暗ェし街灯も少ないしで顔が見えなかったが、雲に隠れてた月が顔を出した瞬間その顔が露(あらわ)になった。




心臓が、跳ねた




右腕はギプスに包まれ、見るからにボロボロのA。声をかけ、近寄る。

無意識なのか、少し揺れるAの体にたじろぐが放って置く訳にも行かねェ…

てか、誰だよコイツを傷付けたやつわ…

顔にも傷作りやがってｯ

あー、イライラすんなァ…











なんでこんなにイライラすんだ？
別にそこら辺の女が傷ついててもなんとも思わねェ。むしろ俺に歯向かうやつは女だろうと容赦しねェ。

なのに何でAが傷つくとこんなにも胸が痛くなるんだよ

確かに気に入ってる。
お気に入りの女がケガしてここまで腹立つなんて俺らしくねェのに…




『ちょ、今は近づかないで下さ』

「あ"！？」



こいつ…俺が心配してやってんのに近付かないでだと！？俺が何かするとでも思ってんのか？？



『………あんまり見ていい気分なもんじゃ無いと思いま…思うけど、』



ンだよ。傷見せたくねェだけかよ…
そんなに見せたくねェ傷を誰にヤられたのか聞いてそいつをボコる。俺様のお気に入りをここまで酷くヤったんだからなァ…

真ん前に来て見ればその酷さがわかる。口元や頬、目の上にも青アザらしきものがある。
可愛い顔が台無しじゃねェか…

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