成蘭の番犬ちゃん

20話目 ページ21

『悪いね、病院に付き添ってくれた挙句こんな所まで送って貰っちゃって。あんた達も気をつけて帰るんだよ？』

「「はい！Aさんもお気を付けて！」」



あの後病院に行けばやはり角材を受け止めた右腕はヒビが入っていた。。後はあちこち打撲。顔も傷だらけで病院の先生には凄い顔された。スケバンでもこんなに傷だらけやつなかなか居ないもんね。

とりあえず家の近くまで仲間に肩借りてなんとか帰ってこられた。流石に家まで送って貰うのは申し訳ないから近くの十字路まで送ってもらったのはいいが、ホントに痛い。

家に帰ったら風呂…けど右腕使えないんだった。どうすっかなぁ…

そんな事を考えながら道の壁に手を付きながら帰ってんだけど傍から見たら近寄りたくない人だよな。

そう言えば前に相良さんとあったのもこんくらいの時間帯だった気が



「おい」



え、マジか

嘘でしょ？
なんであんたがいるんだよ

今ケンカ売られたら見たらわかるけど今の私じゃ到底叶わない。万全ならなんとかなるかもしれないけど…タイミングが悪すぎる





相良「なんだそのケガ」

『ぇ…いや、別に』

相良「なんも無いわけねェだろ」

『ちょ、今は近づかないで下さ』

相良「あ"！？」

『(なんでそんなに怒る)
………あんまり見ていい気分なもんじゃ無いと思いま…思うけど、』



そんな私の言葉なんて無視してズカズカとこっちに近寄ってくる相良さんが怖く見えた。
いや、いつも怖い顔してるけど今日は雰囲気も目つきにも怒気が含まれてる。

目の前に来るやいなや私をジッと見る相良さん。何をそんなにじっくり見てるんだろう？人の怪我なんて見てて面白いのかな…？



相良「…で、どこのどいつにヤられたんだそれ」

『いや、相手はもう潰しから…大丈夫』

相良「お前が潰したのか？」

『ぁ、いや。私じゃなくて、友達が』

相良「へぇ…成蘭の番犬さんがこっぴどくやられた相手を潰すなんてそいつ強ェんだナ？」

『まぁ、確かに強い、かな』



そう言えば相良さんの眉がピクリと動いた。




相良「それにしてもえれぇ酷くヤられたもんだな」

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