成蘭の番犬ちゃん

1話目 ページ2

五十嵐A。それが私。
成蘭女子高等学校と言えば早川京子が有名だ。

まぁなんたって成蘭の女番長だからね。

私から見てもマブくて喧嘩も強いと来たらそこら辺の男共が放っておくわけが無い。

そんなこんなで今日も今日とて京子と一緒に歩いてたらチンピラ風の男共が寄ってきた。
しかも相当酔ってるらしい。


あーぁ、私しーらね。









「女だからってナメんじゃねーぞゴラァ！！！」


バキッ！
「ぐぁっ！！」





言わんこっちゃない…

京子の拳が炸裂して、チンピラ男3人組はノックダウン。

私も参戦しようか？と聞いたら

これはアタシの喧嘩だから手ぇ出すな、
と言われてしまった。

そう言われちゃ手出しできないからね、私も別に喧嘩好きでやってるわけじゃないし。

ま、身内が危ないのなら話は別だけど…。




それで終わるまで傍観してたんだけど、流石早川京子。痺れるほどかっこいいねぇ。






「……何見てんだよA」


『んー？成蘭(うち)の頭はかっこいいなーって見惚れてた』






にひっ、と笑えば少し照れたのかそっぽを向いて「別にこれぐらい大したことねーよ！」なんて言うんだから我が女番長はホントに可愛い。







『そう言えば明美は？』


「今日は用事があるんだとよ。…コレだったりしてな？」





親指を立てて笑う京子。

いや、それなんかおっさん臭いよ京子…







『それにしてもさっきのチンピラ男、何か嫌な予感するから気をつけてね？』


「なに、アタシの事心配してんのか？」


『ああいう輩はしつこいからさ…
じゃ、気をつけ』


「おう。また明日な」





その日はお互い自分の家に帰宅する為に別れた。

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