【今日から俺は!!】成蘭にはあの狂犬も惚れるマブがいるってよ。

＃ LOVE 19 ％ ページ21

【 A side 】






途中、開久の人達が多くて見つかったら智司センパイたちに報告されちゃうからと身動きが取れなかったりで、気付いたらお昼頃になってしまっていた。


京ちゃん･･･。今頃いとーちゃんセンパイたちに助けられてるのかなぁとか大人しくついて行けば良かったなぁとか後悔しかない。






「Aちゃんっ！」



『！･･･りっちゃんっ！！』







河川敷をとぼとぼ歩いていると、後ろから声がかけられて私が振り向くと同時に抱きつかれた。






理子「どうしたの、Aちゃん。そんなに落ち込んで！」






『 なんでもないの！ 』とりっちゃんを抱きしめ返すと、橋を挟んだ向こう側に怪我をしている伊藤センパイと肩を貸している三橋センパイを見つけた。


その行先にガラの悪そうなツッパリたちが4人いたから私は堪らず走り出した。






『りっちゃんあれ！4対2って危ないよね！？行ってくる！』



理子「本当だわ！私も行く！」






「喧嘩に仁義なんかねェからよォ！」と2人に向かっていく不良に静止するよう声を掛けるりっちゃん。






伊藤「Aちゃん･･･。」



『2人に手ぇ出したら許さないから！』



「マブい姉チャンがよォ。何ィ、俺たちの夜の相手してくれんの？」



理子「4人で2人をやるなんて卑怯よ！･･･怪我してるじゃない。やめなさい。」






よく分からないことを言うツッパリ達に、りっちゃんは華麗なスルーを決めた。かっこいい。


「 うっせェ！女だからって容赦しねぇぞ 」と舐めているツッパリたちを一網打尽にする私たち。






理子「君らも軟高なんだね。私は5組。」



伊藤「3組です･･･。」

三橋「3組です･･･。」






「じゃあまたねAちゃん！」と言いバックを拾う理子ちゃんとお別れすると、改めて2人に向き直る。






『2人とも京ちゃん助けてくれたんだね･･･！それにしてもいとーちゃんセンパイすごい怪我･･･。』



伊藤「大丈夫大丈夫。Aちゃんが無事で良かった！乗り込んでたらどうしようって気が気じゃなくって。」



三橋「京子ちゃんは俺がちゃーんと助けたから安心しな、Aちゃん。」






「 にしても前の髪型も可愛かったけど明菜ちゃんカットも可愛いね 」と言うみっちゃんセンパイたちに照れながらも、カバンから救急セットを取り出す。


口の端の傷が痛々しくて、私が行ってたらもっと怪我せずに済んだのかも･･･と悲しくなった。

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