神の名 ページ9
息すら忘れて、私はそれを見ていた。
「……凪ちゃんがこれを見るのは、慥か初めてだったっけ」
太宰さんは少し微笑した。はい、と震える自分の声がやけに近くで聞こえた。
「中也の��汚濁��形態は周囲の重力子を操るんだ。自身の質量密度を増大させ戦車すら素手で砕く。圧縮した重力子弾は
但し本人は力を制御できずに、力を使い果たして死ぬまで暴れ続ける。
太宰さんはそう言葉を続けた。慥かに、中也さんの身体からはとめどなく血が垂れている。
『……凄い戦いだけど──太宰さん』
声をかけると、太宰さんは少し眉根を寄せた。
「ああ……、このままじゃ中也の躰が持たない」
「生憎だね。ああなったラヴクラフトを外部から破壊する手段なんて存在しない」
『つまり？』
「……え？」
「内部からの攻撃は」『効くってことですよね』
ニヤリ、と私達は揃ってあくどい笑みを浮かべた。ジョン君は目を見開いた。
ピッ、と微かな電子音が響く。直後、ラヴクラフトの体が爆発した。
「────!!」と悲鳴が上がる。
満月を背に、中也さんが夜空に浮かぶ。
「──やっちまえ」
太宰さんが囁くように云った。
きゅ、と私は両手を絡ませた。
神に祈りをささげるように。
「中也」
大爆発。
強烈な閃光が辺りを真昼のように照らし、爆音が盛大な勝利を知らせる。
土煙が周辺を覆い隠し、まるでホワイトアウトのような現象が数十秒続いた。
コオオオォォ……と反響音が止まないなか、またしても爆発音のようなものが聞こえた。
──中也さんか。
「ッ、ハハ……！アハハッ、ハハハハハ……！」
世の中の総てを嘲るような笑い声。
そこに、足音が近付く。
「敵は消滅した」
『もう休んで下さい、中也さん』
中也さんの左腕を太宰さんが、右腕を私が掴んだ。
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シュークリーム - 題名に釣られたポオ君推し系の人ですどうも()あの〜……、貴方は神ですか……？最高です！文才がないうちからしたらとても尊敬します！今後も頑張ってください！ (2023年5月4日 18時) (
レス) id: 8e2a6ae821 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - ダリアさん» コメントありがとう御座います、嬉しいですね。時間は今は嫌という程あるので、お言葉に甘えさせて頂きます。 (2020年4月22日 9時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 私は白夜の世界推し続けるさん» そうなんですか、大丈夫でしたか……？書き溜めている分はいつも通り投稿させて頂きますが、嬉しいお言葉ありがとう御座います！ (2020年4月22日 9時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - ストーカーですか…知らない人に訳わからないこと言われると「え？」ってなりますよね…こんな時期ですし、ゆっくり休んでください！小説の方も頑張ってください！ (2020年4月22日 9時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
私は白夜の世界推し続ける - 大丈夫ですか!?ストーカー紛いのこと自分もされたことあるんですが、気持ち悪いですよね...今はゆっくり休んでくださいね！ (2020年4月21日 20時) (レス) id: 80e5573ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作成日時：2019年10月5日 16時
