悪役令嬢は破滅エンドを認めない 〜転生したら神のせいで悪役令嬢になっていた。私はヒロインを所望したはず！〜

神々の誕生日に事件発生ですの！７ ページ40

「あ、その、先程は娘を助けていただき、本当にありがとうございました。」



ぺこり、と頭を下げたその姿は、本当にヒロイン・ライリーにそっくりだ。



「い、いえいえ。顔をあげてください。体が勝手に動いただけですし、ライリーさんが無事で良かったです！」



慌ててお母さん(？)に顔をあげさせる。



すると、お母さん(？)さんはおずおずと顔をあげて手を前に差し出してきた。



「あの、ほんとうに、これっぽっちですけど、お礼の気持ちです。」



そういって差し出してきた物は、可愛いビーズのブレスレット。



ピンクと黄色が交互についていて、光があたるとキラキラ光りそうだ。



「えっと…これは…？」



「私が作らせていただいたもので、申し訳ありませんが、お渡しできるものはこれしか…。」



戦々恐々といった様子で首を縮こまらせているところからみると、どうやらさっきの次期王太子妃がどうのこうのという会話を聞いてしまったらしい。



それでも、自分の手製の物を、それも無礼だと知っていながら差し出したということは、きっと本当にこれしかなく、それでも何かお礼をしたいと思っているのだろう。



私はそこまで考えて、そっとお母さんさんに近付いた。

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