[WT] 短･中編集 2

smkn(リク)※ ページ4

side kn

俺には付き合っている人が居る。”スマイル”なんて呼ばれてるクセに、全然笑わない奴。
だけど、偶に見せる笑顔がとんでもなく格好良い。

その偶に見せる笑顔の中でも特段好きなのは＿＿


｢ぁうっ、…んっ、あっ、すまいるっ、だめ、むり｣

｢駄目、とか言う割には挿れただけでめちゃくちゃ締まってるけど。……はぁ ｯ 、…可愛い。｣

行為中、全身真っ赤になった俺の腰をするりと撫でては、可愛い、なんて。
この時に漏らす、切羽詰まったような吐息。それから、くっ、と上がる口角。

普段の生活で見る事は一切無い、俺だけのこの笑顔。
この顔が見たくてヤってるってのは正直ある。

お目当ての顔を見ては無意識にきゅう、と締まる後孔。瞬間、また彼からは熱っぽい吐息が漏れる。

｢締まっ…、どこに反応してんだよマジで。落ち着くまでは動きたくないんだけど。｣

｢…別に？全然、良い…んっ、ぅ、｣

理性のコントロールが上手い彼は、深く、深く深呼吸をしてどうにか動きたい衝動を堪えているらしい。

然し、締めつける度に少しずつ膨張を続ける彼に腹を擦られては甘い声が漏れて仕方ない。
それでも尚、我慢し続ける彼に此方が限界を迎えそうで。

無意識下で腰揺らし、彼の首に手を回したのに加え、耳元に顔近付ければ

｢良いから、はやく…動いてくんね？｣

とお強請りを。
ちら、と顔覗けば頬が赤く染っているのが見える。狙い通りだ。
彼がするのは俺を労わる様な優しい行為。俺から求める事なんて想定外なはず。

｢はぁ…？我慢してたんだって…クソッ、｣

ぎり、と歯を食いしばった彼は、覚悟を決めたように呟くと俺の腰を強く掴む。
反応する間もなく、奥をどちゅん、と突かれる。

｢あぇ、あ、イっ……ぅ、｣

突如襲い来る快感に身体が打ち震え、彼の事以外は何も考えられなくなる。奥を突かれる度、自身は押し出されるように何度も白濁を零す。

｢ん、はっ……優しくしたかったのに、っ｣

｢すまい、ぅ…、♡ だいすきぃっ、ぁっ、あぅ、いく、いくっ…｣

言葉だけならまるで不本意かのように、本能を叩き付けてくる。
だけど俺は知ってる。その顔は不本意どころか、支配欲を満たされた雄の顔。完全に無意識なのだろうが、口角は上がっている。

じわじわと高まっていた快感の波が弾ける。視界はちかちかとまたたいて、腹の奥にはじわりと熱が広がる。
あぁ、スマイルもイったんだ。と理解しては視界の端に大好きな笑顔を捉え、意識を闇に落とした。

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