狂×恐～昨日のカタチ～ (ページ4)

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第一章二話ページ4

裏切られクラスの人からの暖かさも信頼とともに失っていった。この時、もう彼女は限界だった。

精神的、体力的に毎日降りかかる重圧に耐えられなくなった彼女は大好きな家族に手紙を残しこの

世を去った。その一週間後なぜか、都子は突然の心臓発作で死んでしまったという。同じクラスの

人間もみんな回復はしたものの、病気にかかったり、大怪我をおったりした。

そんな話をこのクラスに来た時に担任の山本志乃(やまもとしの)先生から聞いた。がこれほど

ひどい話を聞いても、このクラスのいじめや陰口はなくならなかった。そのリーダー格にいるの

は、友香先輩を殺したともいえるすべての元凶、高塚都子の妹である高塚博子(たかつかひろ

こ)だった。取り巻きの吉田心花(よしだこのか)と藤澤遥子(ふじさわはるこ)らと一緒に

人の陰口はもちろん、裏で気に入らない女子に暴力をふるったりしていた。博子は自分がなんでも

一番じゃなきゃ許せない。そういう人間なのだ。こういったいじめが日々行われているこのクラス

はひどく汚れている。

ガシャンッ！！

突如、何かが落ちる音がした。窓の方だ。皆が目を向ける前に博子が叫ぶ。

「ちょっと！！これ・・合唱祭の最優秀賞のトロフィーじゃない！！誰が落としたの！？」

博子がまくしたてると、取り巻きである2人も、

「さっさと出てきなさいよ！」「白井さんなんじゃない！？」

と騒ぎいい迷惑だ。

「なんで私なの？私・・何もしてない！」

意味の分からない憶測で夏奈が疑われていたので、助けるために俺は4人のほうに歩き始めた。次

の瞬間、夏奈と高塚達の間に、不気味な笑顔で立つ少女の姿が見えた。

だが瞬きをし、少女が立っていた場所を見るとさっきは確かにいたはずの少女は消えていた。その

少女は俺しか見えなかったらしい。

「やめてっ！！」

ハッ！夏奈の声で意識が引き戻される。もう一度夏奈の方へ歩き始めたとき、

「もしも・・幽霊の仕業だったら？」

凛とした綺麗な声が聞こえてきた。

「は・・？」

皆顔を見合わせ驚いている。俺も例外ではない。あの綺麗で凛とした声の美少年、始ノ終(しの

しゅう)が意味の分からないことを言い出したのである。