狂×恐～昨日のカタチ～ (ページ22)

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第五章三話ページ22

俺たちが屋上につくと、全員が揃っていた。俺たちが最後だったようだ。皆は麻水たちの班がいな

いのを見て顔を暗くする。

「行こう。俺たちは行くしかない。」

「ああ。」

玲先輩を先頭に全員が屋上の扉をくぐった。

ドンッ

俺たちの目に現れたのはガルマンダ・・ではなく、図書室で仲間を食らった化物だった。

「おいおい・・ガルマンダとかいう化物じゃなかったのか！」

修也が叫ぶ。

「マァマァ、ミテナッテ！ホラ、『キル』モシズカニシテ？」

「グゥゥゥ」

キル？化物の名前か？

「ガルマンダ！デテオイデ！」

Ａが叫ぶ。

「ガァァァァ！！」

大きな唸り声を上げ、ガルマンダが姿を現す。

「マダマテ。」

「グルゥゥゥ」

何かがおかしい。

「おい、Ａ。そいつは喋れたんじゃなかったのか？」

そうだ、今はガルマンダとの意思疎通ができていない。

「コノコハネェ、アカイツキノゲッコウヲアビルトコウフンシテコウナッチャウンダヨ。チカラモ

　ツヨクナル。ダカラキヲツケタホウガイイヨ。ソレジャァタタカイヲハジメヨウ！！」

Ａの合図とともにガルマンダが地面を揺らすほどの雄たけびを上げる。えれ太刀は武器を構えガル

マンダの攻撃に備えたが、ガルマンダは一向に攻撃をしてこない。するといきなりキルと呼ばれた

化物の方へと走っていった。そして、

バクッ

「は？」

ガルマンダはキルを食べたのだ。

「共食い？」

「チャンスだ！！一斉にかかれぇ！！」

皆がとびかかる。しかし、ガルマンダが腕を振り風圧で皆を吹き飛ばした。

「ウッ！」

何人かが着地に失敗したようで、足や手などを痛めてしまったようだ。残った俺たちはけが人の元

へガルマンダを行かせないように必死に気を引いた。

バンッ

ザクッ

ブオンッ

銃や刀、理科室で拾ったらしい刃の部分がレーザーになっている剣を使い攻撃する。しかし、ガル

マンダの体にはかすり傷すらなかった。

「くそ！こんなんじゃらちが明かねぇ！」

「ああ・・・？おい！あれを見ろ！」

楓が指さした先にあったのは赤と青の勾玉だった。

「どっちか壊せばいいんじゃないか？」

「でも・・どっちだ？」

「赤い月から力を得ているんだ。ここは赤だろう！」

俺たちはガルマンダの攻撃をよけながら叫ぶように会話をする。話を聞いていた火口先輩が声を上

げる。