狂×恐～昨日のカタチ～ (ページ19)

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第四章七話ページ19

全員止まり、姿が見えるのを武器を構えながら待った。するとそこに出てきたのは大きな鬼だっ

た。さっきの引きずる音は血で赤黒くなった鉄の金棒だった。あんなので殴られたらひとたまりも

ないだろう。鬼は俺たちの方へ一直線に向かってきた。しかし、花と火口先輩が一歩前に出て応戦

する。二人とも今は薙刀を使っていて大きな鬼と対決するにはうってつけだ。しばらく応戦してい

ると、花の薙刀がはじかれ鬼の背後に飛ばされてしまった。鬼はその隙をついて金棒を振り下ろす

が花はそれをスッと最低限の動きでよけ、鬼の足の間に滑り込む。低い体制のまま薙刀をとり、鬼

の方を振り向きながら薙刀を振り上げた。四メートルほどある鬼に向かって薙刀を振り下ろす。鬼

はうめき声をあげ真っ二つになった。皆は花の強さに呆然とした。

「チッ、汚いなぁ。さ、皆さんそろそろ保健室に戻りましょ！(ニコッ」

いつもと変わらないはずの笑顔がとても怖かった。

俺たちは保健室に戻り、ほかの班の皆に報告をした。今回の情報をもとにここにいるトップ１２の

強さを誇る生徒で化物に挑むことにした。

一人目は玲先輩。二人目は夜神先輩。三人目は火口先輩。四人目は絢香先輩。五人目は大阪先輩。

六人目は楓。七人目は俺。八人目は花。九人目は夏奈。十人目は奈々。十一人目は同じクラスの本

間修也(ほんましゅうや)。十二人目は宏太。この十二人がチームになれば最強だ。俺たちは戦

わなければならない。

　『戦い得るものとは、失うものとはなんなのか。』

　～今、戦いが始まる～