狂×恐～昨日のカタチ～ (ページ17)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:2,209 hit

第四章五話ページ17

絢香先輩がテニスを習っているのは知っていたが、武道もやっていたなんて知らなかった。

「また、捜索をしようと思う。今回は班で行くことにする！一班につき一人は武道経験者をいれ

る！班は全部で二十班。もう分けたから、自分が何班なのかちゃんと覚えておけ！」

そのまま火口先輩は一気に名前と班を読み上げていった。俺の入る班は第二十班。メンバーは俺、

夏奈、楓、花、同じクラスの鈴木陽向(すずきひなた)、吉川元太(よしかわげんた)、美羽

清子(みわきよこ)、金子未沙(かねこみさ)、それから他のクラスの一年生が数名。二年生

は女バスの大阪まり(おおさかまり)先輩と数人。三年生は一人で大きな戦力になるという理由

で夜神先輩だけが入ることになった。俺たち二十班は一班、十班と共に体育館へ向かうことになっ

た。一班には火口先輩が、十班には玲先輩と絢香先輩がいる。二十の班がある中で特に強いこの三

班が特に怪しいと話していた、体育館に向かった。

俺たちは保健室を出て、体育館へ向かっていた。

(このままつけば・・)

そう思った矢先、俺たちの目の前に真っ赤なワンピースを着た少女が立っていた。

「なんだ？」

火口先輩が疑わしく声を上げると、少女が喋りだす。

「ねェ、このワンぴースきレイ？」

「なんか、口裂け女みたい・・」

花が呟く。

「コたエテよ！！」

少女が怒鳴る。

「え・・と、綺麗ですよ？」

夏奈が答えた。

「ば！？何答えてんだ！！」

「ネぇ、ほんト？でモねぇ、こノワンぴーす、アカじゃナいトコがあルの。だかラ、アナタのアカ

　いロちょウだい」

「まさか！？」

「赤色？そんなの私、持ってない！！」

夏奈が少女に向かって言い返すと、

「オマエのアカ・・チヲヨコセェ！！」

少女は狂ったように言い放ち、自身のうなじあたりから真っ赤な触手を出し、夏奈の心臓を突こう

と迫った。皆、突然のことで動けなかった。ただ一人を除いて。

バンッバンッ！ビチャッ！

「ちっ！気持ち悪いな。君たちいつまで突っ立てるんだ！やれるぞ！！」

火口先輩ただ一人がとっさに反応し、少女の触手をうち落とした。皆ははっとして自分の武器を構

える。一年で気をひきつけ、そのすきに銃を使う火口先輩と玲先輩。刀を使う夜神先輩で攻撃し、

しとめる。という作戦を実行することになった。剣道部あり、薙刀のトップ選手である花は張飛

し、少女の背後をとる。