狂×恐～昨日のカタチ～ (ページ16)

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第四章四話ページ16

俺たちは保健室に戻ってきた。１－４からは三人の死者が出た。皆は精神的ダメージもあってか自

分のベッドで寝ている。

今俺は一人だけ起きて考えていた。

(Ａは何者で何が目的なのか・・)

「真央くん、ちょっといい？」

話しかけてきたのは部活の先輩で二年生の阿部絢香先輩。今は亡くなった友香先輩の双子の姉だ。

絢香先輩のテニスの腕は、三年生の先輩を出し抜く強さだ。

「はい！平気です！どうかしたんですか?」

「いや～本当は玲先輩とかも混ぜての方がよかったと思うんだけど、疲れて寝てたから・・真央く

　んにだけでも話そうと思って・・」

いつも明るい絢香先輩は気まずそうな顔をしていた。

「あのね、Ａの正体なんだけど・・」

「！？」

「Ａ」、このゲームの支配人、標的の「Ａ」の正体！？

「多分・・なんだけど去年死んでしまった妹の友香だと思うの。復讐とか、考えているんじゃない

　かって思うの・・」

俺たち１－４は先生からその話を聞いている。

「そう・・なんですか。」

「関係ない君たちまで巻き込んでごめん」

申し訳なさそうに言われた。

「いえ。そんな・・。」

そんなやり取りをしていると、

「あれ？二人とも起きてたのか？」

そう言って起きてきたのは玲先輩と夜神先輩だ。

「ごめんなさい、起こしましたか？」

「いや、平気だ。それより、お前らは何を話していたんだ？」

夜神先輩の問いに対し、絢香先輩がさっきの話を二人にする。

「ああ、確かによく考えれば友香だ。あれ(・・)は酷かったもんな。」

と、隣のベッドの戸島丈(としまじょう)先輩が相槌を入れる。

「復讐に走るわけだ・・」

先輩たちがため息をつく。そこで、会話は終わった。そのあと続々と皆が起きてきた。

全員が起きてきたのを確認すると、先ほどまで話し合いをしていた火口先輩が声を張り上げた。

「この中で、武道経験者はいるかー？いたら手を挙げてくれ」

すると、一年生は花、五組の関華乃(せきはなの)、一組の佐藤汰椅(さとうたい)。二年生

は泉いのり(いずみいのり)先輩と絢香先輩が、三年生は火口先輩のほかにも数人手を挙げた。